自分は小説「真空地帯」の世界にあるのだと思うことにした。軍隊生活と入院生活の違いはあるけれど。そうでも思わないと毎日がうっとうしくてやりきれない。胃かいようで半年近く通院し、検査入院のつもりが、病院を出られぬ羽目になった。
入院翌日から絶食となる。のどを通るのは水と薬、検査中の液類。くる日もくる日も検査は続く。9時の消灯後、私の頭は研ぎ澄む。自己嫌悪に陥ったり、告知された手術におののいたり。寝付きの悪い夜が続く。 出□の見えない私の真空地帯。明日への光を探し求めながら、今日の一日を生きる。
伊佐市 山室恒人(62) 2009/5/26 毎日新聞鹿児島版掲載
入院翌日から絶食となる。のどを通るのは水と薬、検査中の液類。くる日もくる日も検査は続く。9時の消灯後、私の頭は研ぎ澄む。自己嫌悪に陥ったり、告知された手術におののいたり。寝付きの悪い夜が続く。 出□の見えない私の真空地帯。明日への光を探し求めながら、今日の一日を生きる。
伊佐市 山室恒人(62) 2009/5/26 毎日新聞鹿児島版掲載