はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

復活

2012-04-21 19:20:23 | アカショウビンのつぶやき


 ちょっと手を抜くと、すぐに勢いがなくなってしまう、庭の花たち。
20年以上前、親友に頂いたジャーマンアイリスが今年は元気
この花は今まで瀕死の状況を繰り返しながらも、生き延びて今年は綺麗な姿を見せている。
この株をくださったNさんは、若くして旅立ち、御主人も後を追われるように逝ってしまわれた。

我が家には、友人の形見となってしまった花たちが沢山ある。
いつまでも咲いて欲しいと願いながらも、次第に消えてしまった花も多い。

手を抜かず、愛情をもって手入れしなければ…と。
今日もへっぴり腰で庭仕事を頑張りました。



これは生協で買ったミニバラ「ピーチ姫」です。

「前払い」

2012-04-21 18:18:40 | 岩国エッセイサロンより
2012年4月20日 (金)

岩国市  会 員   安西 詩代

 明治生まれの母は、最期は認知症で私が週3回訪ねる度に「こんなによくしてもらうのに私はお金を持っていないので、あなたにお給金を払うことができないのよ。ごめんなさいね」と申し訳なさそうに謝る。「大丈夫ですよ! 前払いでたくさん頂いていますので、ご心配なく」「そうですか。それならよいのですが」という会話をしていた。

 いつからか「娘」から「よくしてくれるお手伝いさん」に変わった私は、母がいとおしかった。7人の末っ子で両親や兄姉からは愛情の前払いもたくさんもらっていた。そのお返しを少しでもできたのだろうか……。

  (2012.04.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載