はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

かのや第九演奏会まで…

2013-11-08 20:23:53 | アカショウビンのつぶやき


第九の本番まで一カ月を切りました。
演奏会は12月1日。
あぁ─。自信がないのに、オケ合わせ…。



地元唯一のオーケストラ、「かのやオーケストラ」の皆さんです。

指揮者の前田均先生も、がっかりなさったのでは…と反省しきりでした。

最後の追い込み部分をもう少し頑張らなくちゃ…です

「秋の夜長」

2013-11-08 19:59:43 | 岩国エッセイサロンより


2013年11月 8日 (金)

岩国市  会 員   吉岡 賢一

 夕食の終わったテーブルにゴロゴロっと大粒のクリを広げ、包丁片手に鬼皮をむき始める。持ち掛ける世間話に適当な相づちを打ちながらテレビを見ている私に「おとうさんはええねー、うまいうまいと言って食べる役割ばかりで」と言う。渋皮煮を作るクリの鬼皮むきを手伝えという催促か?
 今までやったこともない上に「渋皮に少しでも傷つけたら、もうダメなんよ」と何度も聞かされてきた。それほど難しい鬼皮むきだが「よーし俺だって」。
 孫用の小さな包丁を持ち出し、初挑戦。妻が10個むく間に3個もむいた。褒められた。

   (2013.11.08 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「秋の駐車場で」

2013-11-08 00:38:58 | アカショウビンのつぶやき
2013年11月 7日 (木)

岩国市  会 員   山下 治子

5%引きでポイント2倍のスーパーの駐車場は、祝日と重なりどこも満杯。やっとこさ駐車すると、メモしてきた買い物を足早に済ませたが、レジも長蛇の列。やれやれと駐車場に戻り、はて、車はどこだ。
 確かこの辺り……とカートを引いて歩き回り、ようやく「あった」とキーを開けようとするのだが、なぜか開かない。秋とは思えぬ炎天下に汗が噴き出し、いら立っていると声をかけられた。
 「どうかしました?」
 「キーが開かなくて」 
 「これ、私の車ですよ。お宅のはそっちでしょ」
 怒り□調でけげんな目をされた。言われてみれば、左隣に色も型も同じ車が並んでいる。
 「おばちゃんもニンチなの?」 
 傍らの女の子の一言に、慌てて口をふさぐと「すみません、失礼言って。母がそれなもんで」とため息まじりに頭を下げられた。
 「おばあちゃん、おうち忘れちゃうの。すぐ迷子になるの」
 女の子のおしゃべりはあどけないが、介護する者の苦労はいかばかりかと「おつらいでしょうね」と言うと、女性は涙ぐまれた。
 車とおうちは違うが、女の子には同じに思えたのだろう。まだ大丈夫と我を張っても老化は否めない。先日、介護保険者証も送られてきた。
 「今日が一番若い日」と心して、人生の秋の味覚を味わっていこう。
  (2013.11.07 毎日新聞「女の気持ち」掲載)岩国エッセイサロンより転載