はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

7年目

2013-11-25 01:42:40 | 岩国エッセイサロンより
2013年11月24日 (日)

岩国市  会 員   山下 治子

年賀はがきが発売されると舞い込み始める薄墨色のあいさつ状。それは、内緒で逝ってしまった親友を思い起こさせる。
 彼女が緊急で入院した時、私も骨折で入院していた。水戸までは遠く、見舞いに行けぬもどかしさに、手紙を書き携帯電話を鳴らし続けたが、音沙汰はない。やっと、息子さんから「必ず元気になりますから」とし連絡があり、朗報を信じて待った。が、ついの便りが年賀欠礼とは……。無念で悲しすぎた。
 いまだ消せぬ携帯番号をなぞると、無情の響き。でも、いつか天国につながる気がして。

  (2013.11.23 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載