ミラノでは135本の尖塔が天を刺すように建つ大聖堂を見学。外観の美しさと内部の荘厳さ。ゆっくりと見たかったが時間がなく本当に残念。次に、ナポレオンに大きく破壊されるまでは星形のお城だったという旧城の博物館でミケランジェロのピエタを見た。磔刑に処された後に十字架から下ろされるイエスを抱く聖母子像ではなく、未完のマリアと呼ばれるこの大理石の像は、キリストがマリア様を背負っているように見える。
彫りかけの目は悲哀に満ちていて、イタリアで見たどの美術作品よりも心打たれた。祈りにも似た思いで思い出す。
霧島市 秋峯いくよ 2013/11/13 毎日新聞鹿児島版掲載