インフルエンザの予防注射を受けに行った。着いた途端、保険証を忘れた事に気づき引き返した。上着のポケットに入れたのに出かける寸前、肌寒く感じて厚手の服に着替え、そのまま病院に向かってしまったのだ。
注射を打つ時にも。左腕を出し「手を腰に当ててください」の指示に、牛乳を飲むポーズみたいと思いながら右手を腰に当てた。看護師さんは「言い方がわかりにくかったですね」と申し訳なさそうに、左手を優しく曲げて注射をしてくださった。
重ね重ねの失態。認知症の前兆、それとも粗忽者のウッカリミス。あぁあ、前途多難。
熊本県菊陽町 有村貴代子(72) 2019/11/17 毎日新聞鹿児島版掲載