通りに面した広場に石のベンチがある。誰でもが気楽に休めるスペースをあけて、端に一人の女性が頬に手を当て腰掛けている。いつも独りボッチで寂しそうだ。美人だが少し憂いの表情は、ちょっと気になるね。私は通る度に、声をかけがてらに一休みする。座像の彼女は何も話さない。
毎回別れ際に、せっかくだから2ショットを撮る。「じゃまたね!」と別れるのだが。会う回数を重ねているうちに、いつの間にか情が移った。
もう「知らん顔」しては通り過ぎができなくなった。たまった2ショットがたのしみだよ!
宮崎市 貞原信義(81) 2020/3/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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