結婚してからずっと畑を作っている。転勤の多い暮らしで、幾度か貴重な種を頂いた。絶やしたものも多く、手元に残ったのが小粒のソラマメと落花生、昔ながらのトウモロコシである。素人にも作りやすいのが特徴で、毎年種を採っている。
トウモロコシは、義母からである。義母の祖母が若いときに宮崎で手に入れたものを受け継いだとか。小さくて固い粒だが、深い味わいがある。お盆過ぎに取れる。九十前の義母だが、今でも種をまいて収穫を待つ。思い入れの深さを想像する。
義母の母そのまた母の伝承の種撒く春のありあけの月
鹿児島県霧島市 秋野三歩(64) 2020/7/19 毎日新聞鹿児島版掲載
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