庭のシャクナゲの上を、黒っぽい虫が十数匹舞っている。最初アブかと思ったが、近づいてよく見るとなんとハナムグリだった。1匹1匹は時々見かけるが、こんな群れは初めて。思い思いにシャクナゲの花に潜り込み、蜜を吸い始めた。受粉を助けてくれる益虫である。
ところが1匹が開きかけた花びらを食い破り、中に入って行ったのである。さすがにそこまでのろうぜきは許し難いと、妻が殺虫剤をまいて追っ払った。
益虫も、群集心理が働いて悪さをするのだろうか。人間界の縮図を見るようで、ちょっびり切ない気持ちになった。
宮崎市 福島洋一(65) 2020/4/22 毎日新聞鹿児島版掲載
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