はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

父の背中

2016-01-05 22:31:25 | 岩国エッセイサロンより
2016年1月 4日 (月)
   岩国市  会 員   吉岡 賢一


 持って生まれた腕力の強さと旺盛な闘争心で、田舎相撲の大関を張ったこともある父は、明治32年生まれ74歳の生涯であった。若くして「強い大関」ともてはやされたせいか、その後の人生は波瀾万丈。子供の目には反面教師とする点が多々あった。
 そんな中でも、世間を見通す眼力、先駆者的な発想も随所に見せ、時に自慢したくなる一面も持っていた。良くも悪くも、最も身近で最も長く、男としての生き様を見せつけた人生の大先輩でありライバルでもある。
そんな父の歳に肩を並べる正月。お灯明を上げライバル賛歌の柏手を打つとしよう。
  (2016。01.04 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

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