数年前にご主人に先立たれた友人からの電話。仲良し夫婦だっただけに、その落ち込みようは涙なしでは語れないほどだった。時を経てその傷も癒えたのか、親の介護の相談だった。こんなとき連れ合いが居てくれたらと彼女は考えたに違いない。幸い私には愚痴をこぼせる夫が健在。感謝しなければ、としみじみ思った。連れを亡くした大方の人は「寂しい」の一言。元気でいてくれて、ありがとう。それを夫に告げた。照れなのか「それって、30分のタイマー付きか」との返事。どうせ長くは続かないのだからとでも言いたげな、いつもの夫だった。
鹿児島県鹿屋市 中鶴裕子(70) 2020/4/11 毎日新聞鹿児島版掲載
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