玄関の方からツバメの話し声が聞こえてきた。しばらく耳を澄ませてみることにした。
「この物件、中古だけどなかなかいいわね。頑丈そうだし人間も優しそうだし」「だけどこの辺を縄張りにしているカラスがいて、しょっちゅうパトロールしているよ。巣作りの邪魔されないかな」「そう言えばヒナがかえってからカラスに襲われた夫婦がいるそうよ」「うーんやっぱりもう少し様子を見たほうがよさそうだ」「そうしましょ」
ツバメの夫婦はそういうと、ぱっと飛び去った。え、ツバメの言葉が分かるのかって。そりゃもう長い付き合いだもの。
宮崎市 福島洋一(65) 2020/7/5 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます