季節はすごい。ただ一枚の如きが、時が来れば知らぬ間に、その木らしく整っていく。杉垣を塀に替えた後、広まった場所に植えた数種の果樹。粗雑な園芸屋さんで枯れ木を買わされたと思ったが、疑ってごめんなさい。無花果にたくさん葉が繁ってうれしいです。来年さ来年には実をつけるかしらん。さまざまなジャムを作ろうとワクワクします。昔は、母がよく無花果ジャム、夏ミカンの皮や蕗茎で砂糖菓子を作ってくれた。お焦げの匂い、もったり濃厚なおいしさ。その直伝は、今も私の滋養の源だ。無花果の木は、懐かしさをさらに濃くしてくれる。
熊本県阿蘇市 北窓和代(65) 2020/7/4 毎日新聞鹿児島版掲載
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