二人の玉砂利を踏む音が、静かな境内に響いていた。荘厳な空気を全身で感じた。入り口で供えられた神の石を持ったまま本殿へ行く。それをお供えすればご利益を頂けると言う。
友がぽつりと言った。「今まで厄払いなんて考えたこともなかった。61歳だから後厄払いになるかなぁ?」。友の身に起こった大変な出来事を知っている私は、「これで、全部厄が落ちるよ」と言葉を添えた。
帰りには、大黒様と白兎の御神体をなでなでしながら祈念した。
鳥居を出る時、穏やかな気持ちになった。友が汗を拭きながら「また来たいね」と言った。
宮崎市 津曲久美(61) 2019/9/29 毎日新聞鹿児島版掲載
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