散歩中の妻がビー玉くらいのさといもを見つけた。私は持ち帰り、鉢に植えると妻はけげんな面持ち。気にせず玄関先に置いた。やがて芽が出て巻葉が伸び、ハート形の葉が広がった。
さといもは、身近な食材で、たどれば縄文の人たちが稲作よりも前から栽培していた代物である。無頓着な私は、さといもの花を御年70を過ぎてもまだ見たことがなく、楽しみに観察していた。耳学多才の妻にどんな花かと聞くと「みずばしょうみたい。ほとんど咲かない」とのことで意気消沈。でも、さといもの葉の上に転がる銀の水玉も、なかなか乙なものである。
鹿児島県出水市 宮路量温(73) 2019/9/30 毎日新聞鹿児島版掲載
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