はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

吾子の名は絢子

2017-04-08 11:39:20 | はがき随筆
 次男がようやく父親になった。息子夫婦はヨルダンで暮らしているが、嫁は昨年のうちに帰ってきていた。息子は出産に合わせて休暇を取って帰国し嫁の実家に向かい泊り込んだ。
 2月22日早朝より、入院した、分娩室に入った、と次々息子のメールが届く。生まれるとそのまま産院に泊まり込み。夫は「時代が変わった」と嘆息。
 数日後、赤ちゃんに会いに行った。名前は、と聞くと絢子。アラビア語でアヤは奇跡という意味で、絢の字の意味も良かったと紅潮した顔で解説。半月後、まさに後ろ髪を引かれる思いで、息子は戻って行った。
  出水市 清水昌子 2017/4/7 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿