ある朝、お茶配りに職員さんがやってきた。ベッドに寝そべり「ごめん日めくりカレンダーが高いから破ってくれない」とお願いした。職員さんは「それはいつもされている事ですよね。できない事はお手伝いします」とやってくれない。「冷たいね。もう何もしなくていい」。私は冗談ぽくすねてみた。「それじゃ爪切りも背中洗いもしないから」。職員さんもわざとらしく売り言葉に買い言葉で話された。次の日の入浴の時間、職員さんがさっと来て背中を洗ってくれた。その瞬間「あらしもた! 洗ってもた」。その言葉を聞いた途端2人で大笑いした。
熊本県玉名市 馬場征子(78) 2020/6/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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