キンメダイの干物を頂き、朝食に。夫は「うまい」を何度も口にする。あまり見かけない魚。あってもなかなか買えない。
夫は食事後、「父ちゃんがこのアラに湯をかけて飲んじょった」私も「うちの父ちゃんも焼き魚の時はそうしちょった」。
焦げたところを除き、湯をかけて出した。ワクワク顔の夫。
だがひと口すすって「うまいもんじゃないわ」と言い「うまそうに飲んじょったけどな。物のあふれた時代、こんな素朴な味、分からなくなってる」。
がっかりした夫を見ながら、2人して父ちゃんと言い、共通のことがあってうれしかった。
宮崎県高鍋町 井手口あけみ(72) 2021.9.11 毎日新聞鹿児島版掲載
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