はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

2006-09-24 18:28:26 | はがき随筆
 今年も台風シーズン到来。
 子供のころ、台風はそれなりに怖かった。それでも、1つだけ楽しみがあった。台風一過、木々の木の葉が道を塞いでいる中を足取りも軽く祖母宅に出かける。予想通り畑はめちゃくちゃ。その中にあの長十郎梨が落ちているのである。落ちてしまったものは仕方がないので、いくらかもらえると子供心に思っていたらしい。
 甘いものが少ないころとて、長十郎梨は私を幸福の絶頂に誘ってくれるものだった。祖母に可愛がられた記憶はなく、それなりに嫁姑の微妙な関係を察知はしていたのだが。
   霧島市 口町円子(66) 2006/9/24 掲載

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