菜園の縁をニラで囲っている。今、ニラの葉の間から30㌢あまりの花茎を出し、頭頂に白い小さな花が球場に集まって咲いている。この花が咲くころ、アオイトトンボが花の上を群れて飛ぶ。薄い羽に腹の先は青。それがまるで小さなトルコ石をつけたようだ。群れ飛ぶ様はその腹だけが目立って美しい。
今年はどうしたことか、ようやく1匹見つけた。毎年、花のあたりをいくつもの群れが飛んでいた。場所を変えてどこかで飛んでいるのか、それとも異常気象のせいか、人間の営みによる減少か。巡る季節に1匹のアオイトトンボをいとしく思う。
出水市 年神貞子 2012/9/21 毎日新聞鹿児島版掲載
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