今、栴檀の花の盛りである。控えめな甘い香りがし、色も決して目立たない淡い紫である。
以前は校庭や運動場にほどよい影を提供してくれるということでどこの学校でも見られた。夜の教室で残務整理をしているとその甘い香りに癒され、栴檀の木をしばらく眺めていた。
しかし、材としては固い好材で建築材や数珠玉に用いられるほか、珍しい面では囲炉裏の縁材にも使われる。香りや色からはその丈夫さは想像できない。
印象はたおやかでも質実剛健で「栴檀は双葉より芳し」と大器の片鱗の例えに使われる。
薫風の爽やかな季節である。
宮崎市 杉田茂延(67) 2019/6/6 毎日新聞鹿児島版掲載
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