お盆に息子から供え物が届いた。どっしりと重量感のあるようかんは、亡夫の好物だった。満悦した顔が浮かぶ。思えば入院中、病院食以外にこっそりとようかんとシュークリームを持っていったことがあった。
「お父さん、どっちを食べたい?」と娘が聞くと、にこっと笑って「シュークリームにしようかな」と、ちょっと照れたような表情に思わず娘と顔を見合わせ笑った。あの日の笑顔がつい、この前のことのように思い出される。あれから2年半、今もようかんとお茶のセットでお供えしている。時にはシュークリームもいいかな。
鹿児島市 竹之内美知子 2013/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載
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