春の立田山はまだ緑が浅く、なだらかな丘の流れに見えた。太陽と雨の恵みを存分に受けた木々は繁茂し、どっしりとした風格の山になった。
山の斜面の一連の建物は緑をバックに白く光り、異国の風景を思わせるハイカラな眺めになった。梅雨の晴れ間の青空には夏雲が力強く湧き、涼風が吹き渡り、ひととき梅雨の蒸し暑さを忘れさせてくれる。
竹林の竹はぐーんと伸びて奔放にしなっている。お向かいのホームは静かに時を刻み、窓の下のひまわりも。小さなリズムが手をつないで優美なハーモニーを奏でている。
熊本市東区 黒田あや子(90) 2020.7.9 毎日新聞鹿児島版掲載
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