はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

山口の実家にて

2016-04-21 21:59:26 | はがき随筆
 実家にはたくさんの蔵書がある。教職にあった義兄の本に、定年を機に同居したおいの本が加わって庭に書庫を建てた。
 91歳の義兄は視力が落ち、本を読む楽しみが減ったという。高校の教師だった67歳のおいは、今も物理の勉強をする。机の上に「アインシュタイン」の題名の本が4,5冊。読書好きの嫁は図書館から電話。書棚の「三太郎の日記」を手に取る。読みたい本だった。老犬のチョコが下からジッと私を見ている。
 こよいは長姉の一周忌の前夜。静かな夜にふと、フォスターの「オールドブラックジョー…」を口ずさんでいた。
  鹿児島市 内山陽子 2016/4/21 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿