はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

千代美

2011-10-06 13:36:32 | はがき随筆
 寄る年波には勝てず、静かにその時を迎えようとしている風にさえ見える。おぼつかない足どりであるくが、その範囲は極く狭く、視力の衰えも目立つ。重湯状のペーストを口の前に運んだスプーンで与えるのだが、思うように飲み込んでくれない。そなん老猫千代美が犬舎に入って眠っている。遼太郎は番犬よろしくその入り口を守る。20年前、たった1回の出産を経験した千代美は不妊手術を受け、食べて野原を駆け回ることを楽しむ猫になった。しかし、1日の大半を寝て過ごす今、遼太郎を自分の息子のように思っているように見えてしまう。
  志布志市 若宮庸成  2011/10/6 毎日新聞鹿児島版掲載

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2 コメント

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その後元気ですか 千代美さん (広島県 田丸)
2011-11-04 19:46:55
 二十年は長生きですね でも、何時までも元気でいて欲しいのが本音です。                                我が家にも、三年前から雌猫が住み着いて五匹の子供を生みました。二回目の出産で生んだ子猫の中に雌が一匹いて、その子が一年後に出産すると、内から離れていってしまいました。                その後、二匹の雄は交通事故で死んでしまいました。一年半の生涯でした。                                愛情をかけて面倒を見た子たちに、あっけない別れをするのは本当につらいです。遼太郎君は、どんな気持ちで母親を見守っているのかと思うと哀れでもあり、とてもかわいそうです。                いずれ訪れるであろう別れを、受け入れざるを得ないのでしょうか
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田丸様 (アカショウビン)
2011-11-05 14:26:01
いつもコメント有り難うございます。

千代美(チョビ)は亡くなったそうです。
いつか、エッセイに書かれると思いますが、本当に残念でした。

遺された遼太郎はワンちゃんですが、仲良しだったので、しょんぼりしてることでしょう。

犬も猫も大好きなアカショウビンですが、別れの辛さを思うと、自分で飼うことはどうしてもできません。
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