遠方に住む息子から時々ご機嫌伺いの電話がくる。子どもの声は点滴のように効き、弾んだ声で近況を交換する。久しぶりの電話に「食欲もなく風邪気味なんだ」といった。
ふと93歳で逝った同居の義母を思い出した。膝や腰の痛みを抱え、風邪をひき寝込むことも度々あった。そんな折、我が子から電話がくると目尻を下げて「元気だよ」とさりげなく答えている。なぜありのままを話さないのだろうと不思議に思っていた。少々の事には弱音をはかない気丈な母ゆえに、心配をかけまいととする親心だったのだろう。分かる年に近づいてきた。
薩摩川内市 田中由利子 2017/6/16 毎日新聞鹿児島版掲載
ふと93歳で逝った同居の義母を思い出した。膝や腰の痛みを抱え、風邪をひき寝込むことも度々あった。そんな折、我が子から電話がくると目尻を下げて「元気だよ」とさりげなく答えている。なぜありのままを話さないのだろうと不思議に思っていた。少々の事には弱音をはかない気丈な母ゆえに、心配をかけまいととする親心だったのだろう。分かる年に近づいてきた。
薩摩川内市 田中由利子 2017/6/16 毎日新聞鹿児島版掲載
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