橋の上に立ち止まって川の流れをのぞく。目の悪い私には魚は水面のゆらぎと同化してみえない。が、目を凝らすと、ハエの群れに出会うこともある。
魚はなぜひれを動かすだけでさかのぼれるのだろうか。川遊びをした遠い日。浅瀬でも流されぬようにと、足を踏ん張っていたっけ。きっと何かがあるはずだ・粘膜で水の抵抗をなくしているからか。では人の身体にオイルを塗ったらば⏤⏤。いやいやうまくいくわけがない。
今日も暑い。泳ぐには息継ぎもできない私だが、幸い肥えているので何とか浮くことはできる。いっそ魚になりたい。
宮崎県延岡市 佐藤桂子(72) 2020/9/2 毎日新聞鹿児島版掲載
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