古希を迎えた翌朝、この冬一番の冷え込みとなった。ふと亡き母のことを思う。
寒い朝、母は服をコタツで温めてくれた。ほのかに温かい服を急いで着がえる私。「今日は寒いけど、三寒四温と言ってね……」と登校を見送ってくれたことも。
父を残し、69歳で旅立った母。この1年間は母を意識した気がする。「あの世から帰って来た人はいないので、きっといいところだと思うよ」と家族の笑いをとっていた母。
母が生きたかった70代を、2人で一人前、珍道中で夫と歩きだす。
鹿児島県垂水市 竹之内政子(70) 2020/4/4 毎日新聞鹿児島版掲載
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