大型連休のただ中、ひたすら山小屋のいろりを囲み、お茶作りに専念するのが夫の年中行事だ。まず無農薬の茶畑の草取りに剪定と続き、淡い緑の新芽が成長すると、いよいよ茶摘みの開始。茶葉作りに通うこと1週間。火の近くは熱い。顔から流れる汗をぬぐい、煙にいぶされながらの作業は大変だった。
鉄の大鍋で煎り、ブリキの茶つぼに詰め完成。昔ながらの自家焙煎は代々、伝承されてきた。その一杯の香りと深い味わいは格別だった。飲みながら「苦労した甲斐があった」とほほえむ夫に「ご苦労様」。
鹿児島県鹿屋市 中鶴裕子(72) 2022.7.5 毎日新聞鹿児島版掲載
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