家族の揺るぎない絆で鶴は行動する。夫婦が子供を守りながら田に餌を食む姿はとても暖かく心癒され、歩みを止め、走る車を止めて見入ってしまう。
子供の頃、つらい時に仰いだ空に、鶴の親にも負けない優しい両親が、田畑を打つその背の空に、親子の鶴は舞っていた。
先日、父亡き後、1人で生きた母が97歳で逝った。ベッドに溶け入りそうにやせ細り、か細い息の母のそばでも、私は鶴の子でいられた。
葬儀の日、母が煙となって空へ上がるのを、私は1人外に出て見送った。冷たい風の中で、親にはぐれた子鶴のように。
出水市 塩田きぬ子 2014/3/2 毎日新聞鹿児島版掲載
昨夕、鶴を待つカメラマンさんたちのニュースがありました。
鶴は暗い夜空から全員で騒がしく鳴きながら飛来して、暫く出水の上空を旋回して、舞い降りるのだと思っていました。
昼間の飛来も、一度見てみたいと思います。
心配なことは、昨日からマナ鶴の親が
1羽、ナベ鶴夫婦の近くにいるのことで
す。
ヤンチャ鶴を捜している様子です。
ヤンチャ鶴はシベリアへ帰ったのかも
知れません。
何か訳ありのマナ鶴の親です。
心配です。
アソファルトの農道に立って矢筈岳を
眺めたりしています。
きっと、子育てを終えた老夫婦です。
鶴には、定年も年金もないからシベリ
アへの往復は死ぬまで続くのかなぁ?
それに、子供に頼ることも出来ないし。
大変だなぁ・・・・と思いながら
イケメンおじさんは「流し目」で見てま
す。
随筆を読ませて頂き、母の最期を思い出しました。清拭の時の母の胸が思い出されたのです。
兄弟で吸い付いた豊かな乳房が、男の胸に変わっていたのです。まさに木が枯れる様に亡くなるとは、こうゆう事かと思わされました。申し訳ないという気持ちと,ありがとうという気持ちが同時にこみ上げてきました。
煙突から空に吐き出される煙が、やがて見えなくなって、空に溶け込んでいく時の気持ちは、どう表現したらいいのでしょう。
ただ、手を合わせるしかありません。
居ません。
きっと、ヤンチャ鶴も7日の午後に、家
族揃って北帰行したんだと思います。
ナベ鶴の親鶴2羽は、今日も居ます。
でも、1羽が座り込んで、1羽が心配そ
うにしていたので、しばらくイケメンおじ
さんは「流し目」で見ていました。
すると、よろよろっと立ち上がりエサを
啄ばみ始めました。
足は大丈夫そうですが、疲れているの
かも知れません。
しばらく養生してから帰ればよいと思い
ます。
まだ、エサ場の荒崎には何千羽も残っ
ているのですから。
エサ場以外で家族単位の鶴を驚かせ
ずに見るコツは・・顔を向けず「流し目」
で見ると逃げません。
余談ですが、イケメンおじさんの「流し
目」は鶴にも御婦人方にも効果的で
す。
まあまあ素晴らしい!
やんちゃな子ほど可愛いんです。
一家揃っての北帰行も間もなくでしょうね。
幼鳥の1羽はヤンチャ坊主か娘です。
独りで飛立って高速道路工事中の敷地に降りたり、草むらの中で遊んだりしていました。
3月7日はヤンチャ鶴1羽しかいません。
えっ!家族は帰ってしまったのか?コリャ大変だぁ・・・・と思いズーット眺めていました。
すると、1羽の親鶴がヒラリと舞い降りてヤンチャ鶴に「シベリアに帰るよ」と言ってるようでした。
ヤンチャ鶴は振り向きもせず遊んでいました。
でも親子2羽です。
鶴は家族を残してシベリアに帰ることはないと聞いてるのですが・・・心配です。