はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

神の汚れた手

2016-07-06 11:42:07 | はがき随筆
 曽野綾子の小説のタイトルから見えてきた。そうなのだ。たしかに神の手は汚れている。働いて働いて節くれだち、血がにじんでいる。
 神は人間がかわいくてたまらない。弱くて愚かで身勝手な私たちを幸せにしてやりたくて「昨日も今日も明日も」働き続ける。
 人間は「仏の顔も三度まで」などと言って互いを見捨てることがあるけれど、神は「七の七十倍」も人間を赦し、決して見捨てることがない。ありったけの愛をこめて「あなたってほんとに馬鹿みたい」とつぶやき神を見上げている。
  鹿屋市 伊地知咲子 2016/6/30 毎日新聞鹿児島版掲載

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