はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

吉利慕情

2019-12-20 16:34:28 | はがき随筆
 石川啄木の歌「ふるさとの山はありがたきかな」がありますが、故郷を思い返すと、山が安定した風景を構築している。
 「離れてみて、わかったよ、懐かしき峰、大谷の山、里山なれど、暁光冴えて、あなたの愛は、空ほど高く……」。吉利中学校が廃校になり47年になるが、歴代の校長が郡内一の校歌であると褒めておられた。出だしに大谷山の朝霞と歌われている。同窓会などがあると、3番まで出席者全員が今も暗記していて、誇らしげに歌うのである。なるほど低山ではあるがどっしりとしていた。古里の山に向かいて言うことなし也。
 鹿児島市 下内幸一(70) 2019/12/5 毎日新聞鹿児島版

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