はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

今年も元気だ

2012-04-06 16:58:43 | はがき随筆
 3月3日桃の節句だと言ってこちとらは独居老人。家に雛壇があるわけでもない。
 啓蟄でカエルも穴から出るころだと用もないのに表に出た。空はどんより寒くもない。
 繁華街でバスを降り1時間ほど歩いてやっと見知った顔を見つけた。同級生だ。「おう」と声を掛けると「おう」と言う。「元気か」と聞くと「元気だ」と言う。まるで金子みすゞの詩だ。近くの茶店でコーヒー1杯で2時間もしゃべった。口は達者のようだ。「じゃあな」と外に出たら雨がしょぼしょぼ降ってきた。走ってバスに飛び乗る。これが老人の健康法だ。
  鹿児島市 高野幸祐 2012/3/31 毎日新聞鹿児島版掲載

「病んで学ぶ」

2012-04-03 14:02:10 | 岩国エッセイサロンより
2012年4月 3日 (火)

岩国市  会 員   片山 清勝

 2回目の車検。部品の取り換えが必要という。昨秋の手術の経験からすぐにOKをだす。
 数年前、家庭医から便潜血の定期検査を勧められた。苦痛を伴うでもなし、深刻に考えることもなく始めた。昨夏、自覚症状は全くないのに潜血ありの判定に驚く。再検査するも同じ。
 医師の指示通り内視鏡検査。大腸がんが見つかり、すぐに切除手術を受けた。病床で健康診断や検査の重要性を改めて思い知った。
 安心安全の仕組みは人も車も同じだ。プロの厳しい診断、その受け入れが快適な日々に連なる。入院してしっかり学んだ。 
  (2012.04.03 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載