彼岸花が枯れて、朝夕は深まる秋をひしひしと感じる季節。夜明けが待ち遠しい。新聞をとりに外に出ると、まだすっかり闇。虫がしゃがれた声で鳴き、風が肌寒い。見上げると満天の星がいくつか空に瞬いている。夏と違った秋の星は冷たい色に見えロマンを感じさせる。下界の人を諭すような風情である。夏が終わり冬を迎えるまでの短い秋、寂しい季節ではあるが心が妙に落ち着き、何をするにも良い時季である。先月より少し体調を崩している。今まで続けてきた俳句や随筆も滞っている。気力と体力の揺する限り頑張ってもう少し続けてみたい。
出水市 橋口礼子 2016/11/10 毎日新聞鹿児島版掲載
出水市 橋口礼子 2016/11/10 毎日新聞鹿児島版掲載