猛暑に負けてやめた自転車通勤。風に誘われ久しぶりに乗った。驚いた。稲穂は実り、気配は秋。空に鷹の案山子が高々と本物のように舞う。
災害で堆積した河川の土砂は除かれ道路に積もった砂もなく、車輪は走りやすい。素晴らしい時節よ。勢力を増す台風は怖いが、水を回し風を巻き、地球の体温調整をして、人の荒らした自然のありようを、全体が調和し整うように後始末をしているように思える。我が家の栗の木、河川敷の合歓木など、枯れ枝を梳かれ、小枝の始末は大変だが人間の手の届かない痒い所を掻いてくれるようでもある。
熊本県阿蘇市 北窓和代(65) 2020/9/19 毎日新聞鹿児島版掲載