絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年11月5日(日)絵本ゆっくりコース・はやしますみ先生の授業内容

2023-11-05 18:34:13 | 絵本ゆっくり塾

本日は、はやしますみ先生の初回の授業です。

「私もみんなと同じように、絵話塾に通っていたのですよ」

「絵話塾の先生と生徒の間、階段の踊り場のような存在と思ってくださいね」

 

はやし先生が、絵話塾に通っていた時のお話しをお聞きしました。

「全ての授業に出席して、課題は全部仕上げる、そして一番前に座る」を目標に一年頑張ったそうです。

 

はやし先生のデビューのきっかけはコンペです。

絵話塾の修了展で展示した絵本『ねーねーのしっぽ』を、ピンポイントギャラリーが主催の絵本コンペに応募して優秀賞を受賞されました。

ピンポイントギャラリーで展覧会をし、そのあと絵本が出版されるのですが、当時のお話もお聞きしました。

絵話塾卒業生のはやし先生から、実際にお話が聞けるいい機会ですね。

はやし先生の授業はダミー本を発表して、直しを繰り返しながらブラッシュアップしていきます。

最後の授業でダミー本を完成するまでが目標です。

 

初めにデビュー作『とんとんとんだれですか』岩崎書店 を読み聞かせていただきました。

「とんとんとんだれですか」鬼のようなシルエットが玄関に立っています。

次のページをめくると正解が見えて、あ〜良かった、ホッとしたと、楽しい絵本です。

初めての絵本制作で、感動させようという考えではなく、笑わせようと思う気持ちで描いた方が、ウケがよいと実感したそうです。

 

『ねこぼん』偕成社 は、「フェスのように踊りまくる絵本を作りたい」と編集者からの提案で作った絵本。

実際、郡上八幡の盆踊りの取材にも行って、いろんな発見があったようです。

初めは文章を横書きで書いていたのですが、会話文を活かすのに縦書きに変えることになって、

縦書きに合う絵を描き直したというエピソードをお聞きしました。

 

 

次に『たんぼレストラン』ひかりのくに を読み聞かせていただきました。

生き物図鑑のような『たんぼレストラン』は、ダミーを作る前に実際にゲンゴロウやタガメを飼って観察したり、生き物に触れてスケッチを沢山描いたそうです。

絵本の土台をしっかり作ってから、ダミーを考えるとおっしゃっていました。

『たんぼレストラン』のダミー本は、20冊くらいあるそうです。

 

そして、エピソードを一つ、お話ししてくださりました。

『たんぼレストラン』のラフを考えている時、車の窓を開けて運転していたら、お米の花の匂いがしたので、このページを描いたそう。

絵本のことを考えていたら、ふとした時にヒントのような出会い(出来事)があるそうです。

 

はやし先生の授業は「直し力」を鍛える授業です。

・直す力を育てる

・絵本のダミーを作る

いいお話を作るのが目標ではなく、一つのお話を直して完成させることが目標です。

初めからきっちり描き込むと、捨てられなくなるので、ダミーはラフでいいです。

 

はやし先生は、ダミーを描くときクレヨンで描くそうです。

コピー用紙に白色を前面に塗ってから、黒やグレーで絵を描いていくのですが、描き直す時はティシュで拭き取ることが出来るのだそうです。

 

本日はたくさんのダミー本を見せていただきましたが、クレヨンを重ね塗りしているので、一枚の厚みにビックリしました。

手に取ってじっくりと見ることができて良かったです。

 

後半の授業では、「絵のかたまり」 の説明をお聞きしました。 

絵本には「絵のかたまり」と「動き」を意識する(に気をつける)。

黒い紙をランダムに手でちぎって「絵のかたまり」を作ってみましょう。

何かの形が見えてきたら、白いペンで描き込みますが、なるべく手数を少なくして表現しましょう。初めのインスピレーションを光らせて考えて見てくださいね。

絵本の絵は、写実的に描くよりフォルムで形を表し、かたまりを意識して描く方が、楽しい画面として描くことが出来ます。

 

 

この一年で、一つの作品を作り込んでいく。

最初に作ろうと思った作品を最後まで仕上げる、「直す力」「やりとげる力」を身に付けてほしい。

とおっしゃっていました。

 

授業が終わってからも、熱心にダミー本を見たり、質問をしたりと熱い時間が過ぎました。

 

 


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