本日は「絵本レベルアップコース」2回目の授業です。
講師は松田素子さん。
今ギャラリーVieで中野真典さんの作品展を開催しています(12月25日まで)。松田さんと中野さんの出会いは、東京で中野さんの個展を見に行った時、りんごの作品を見て、これは絵本になるかも、と思い『リンゴちゃん』の絵本ができました。このように1枚の絵でも物語性のある魅力的な絵は、絵本になる可能性があります。
また、絵本を書店で購入する時は、どれがいいか迷って買いますね。だけど買って家で読み返すと、何でこの本を買ったんだろうと後悔することがあると思います。この後悔が大事で、失敗することで自分の眼が肥えてきます。失敗や後悔から学ぶことは沢山あります。
絵本を制作するときは、物語も絵も順序立てて考える人もいますが、日々の生活の中でアイデアが浮かぶことがあります。ただこのアイデアは作品ではなくあくまで素材。食材と同じでお皿に食材を載せても料理にはなりません。いくら良いアイデアが浮かんでも、それをどのように料理をするかで絵本が完成します。
きたやまようこさんのお話
きたやまさんは、小さいときから動物が大好きでした。「大きな犬と暮らすことにあこがれていた」そうで、大人になって初て飼かった犬は、体重30キロほどに成長するシベリアンハスキーで名前は「チェス」。1985年ごろ、子犬のときに、きたやまさんの家に来きました。きたやまさんは1年間仕事を休み、「育犬休暇」をとって育てました。
1988年にきたやまさんが描いた「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズの1作目「ゆうたはともだち」は「おれ いぬ。おまえ にんげん。」で始まります。「これはチェスが『言った』言葉。チェスがいなかったら、生まれなかった本だと思います」と、きたやまさんは話しています。
片山健さんのお話
かたやまさんは、気になる言葉があれば、「箱」に入れています。
役に立つとか制作のヒントになるかは関係なく、とりあえず「箱」にいれています。 時間を経て、箱の中に入れている言葉を取り出して、その言葉から絵本『木はなんにもいわない』が誕生しました、
このように自分だけの「特別な箱」に気になる言葉をメモして入れておくと、それがのちのちアイデアの原点になって絵本が生まれることがあるので、皆さんも試してみてはどうですか。
絵本は図書館で借りて読む人も多いかもしれませんが、絵本を学んでいる人は、できたら書店に足を運んで買ってほしいですね。 なかには「絵本って高いでしょ!」という方もいます。小説等は3、4回読む人は、そう多くないと思いますが、自分が好きな絵本は、何回も繰り返して読みますね。例えば1冊1,600円の絵本を5回読めば1冊アタリ320円。考え方で決して高くはありません。
絵本は読み込むことで、新たな発見が必ずあります。読み方にもコツがあり、最初は文章と絵を見ながら2、3回読んで、次に文章はとばして絵だけを見ていきます。
絵本は絵で語ることが多いので、新たな発見があります。 一度試してください。
ではまた来年、風邪には気をつけてくださいね。