絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2021年7月10日(土)イラストじっくりコース・イナキヨシコ先生の授業内容

2021-07-10 20:40:50 | イラストじっくり塾
本日はイナキヨシコ先生の授業です。
今期は緊急事態宣言もあったので、一度だけの授業になってしまいました。
3時間授業のワークショップは、布の「型染め」を行いました。





今回は手ぬぐいを半分に切ったハンカチサイズを染めました。
色は藍色一色です。



1.まず、型を作ります。



ポストカードサイズのデザイン画を皆さんに準備してもらっていました。
それを特殊な紙に細いマジックで描き、カッターで切ります。



2.カットできたらその上に薄い細かな編み目状のものを重ねます。
更にその上からアイロンで接着させます。アイロンの乗せ方にもコツがありました。これで型の完成。





3.続いて、染める布の上に先ほど作った型を、染めたい位置に置き、上から糊をヘラで乗せます。
糊はヘラでこねて柔らかくしてから使います。
この糊の部分が白抜きになり、周りが藍色となります。色んな配置の仕方があるので悩みどころ。
時間を置くと糊が固まってきますので、乗せる時は順にどんどんいきましょう。





4. 全部乗せられたらドライヤーでしっかり乾かします。手ぬぐいがしわくちゃになる位までしっかりと。
ちなみに型は洗って繰り返し使えるそうですので、次の機会のためにきれいに洗って保管しておきます。



5.藍色の染料を入れたお湯(約5リットル)に浸します。
入れる枚数が増えると染めが薄くなりますので、今回は多くて5枚まで入れました。
温度が60〜80度に合わせ、かくはんします。



6.約7〜10分で布を引き上げます。洗面所でスポンジを使い、しっかり糊を取ります。
染料が手につくとなかなか取れないので手袋も忘れずに。



7.糊が取れたら定着液に浸します。約15分ほど。



8.ドライヤーで乾かします。




9.出来上がり!約3時間半で完成。

細かいイラストに挑戦された方が多かったですが、想像以上に上手に仕上げておられました!すごい! 




今回は作る工程がいくつもありましたが、クラスの皆さんで協力して無事終えることが出来ました。お疲れ様でした。
作ってみていかがでしたか?
絵を描くのは時には苦しいこともあると思いますが、このように作る喜びを時々再確認しながら進んでいかれるのも良いかと思います。

イナキ先生の授業で制作するものは、普段の生活で使えるものばかりです。
材料の準備がいりますが、是非ご自宅でもチャレンジしてみてくださいね。

イナキ先生、今期も楽しい授業をありがとうございました!

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●「絵本ゆっくり(日曜日)」コース
●「絵本わくわく(水曜日)」コース
●「イラストじっくり(土曜日)」コース
は9月下旬からスタート予定です。

●「イラストレベルアップ(土曜日)」コース
●「文章たっぷり(土曜日)」コース
は11月からスタート予定です。
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上記全てのコースでガイダンス(説明会)を行っています。
7月…毎週 土・日曜日 11:00〜
  7月10日・17日は17:00からも行います。
………………………………………………………………………………………………
興味のある方・受講を考えている方は、下記までお問い合わせください。
〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
URL:https://www.galleryvie.jp/
tel.078-332-5808
fax.078-332-5807



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2021年7月3日(土)イラストじっくりコース・安齋肇先生の授業内容

2021-07-08 12:45:42 | イラストじっくり塾
本日は安齋肇先生の今期最後の授業です。
ところが昨夜の大雨の影響で新幹線が遅れて運行と連絡が。
無事に到着されることを願い、待っている時間に自画像を描くことにしました。

  

丁寧にじっくり描いている方、いろんな作風で描いている方など皆さんの自画像も完成された頃、安齋先生が到着です!

長時間の移動でお疲れだと思いますが、お元気そうでよかったです。




大きな絵(自分の部屋に飾りたい絵)を描いてくる課題が出ていました。

では、先ほど描いた自画像と課題を発表していきましょう。



「お−、いいね!頑張ったじゃん」

「例えば、この絵の中に鳥や虫が描かれているとストーリー性が出るので、さらに良くなるよ」    

誰もが描くイラストで終わらず一歩踏み込んで、誰もやっていない自分の表現ができるといいね。

 

自分が失敗と思っていても、他人が見たらどう思うかは分からないです。
また後から見たら違って見えることもあります。

    


デジタル加工でプリントされたかのような丁寧な着色で、みんな作品の近くまで行って見ていました。 
ここまで丁寧に着色されていると仕上がりがきれいです。

 

しばらく家に飾って何が足りないか、ここが好きという部分を確かめてみるといいですよ。
自分の弱点を客観的に見るようにしましょう。


安齋先生の授業は今日で最後でしたが、
7月6日〜18日までギャラリーvieでは、
「安齋肇三人展 ”ハジメとカヨコときどきチコウ”」開催中です。

 

11日・17日には安齋先生が在廊される予定です。
12(月)13(火)休み

是非お越しください。



●「絵本ゆっくり(日曜日)」コース
●「絵本わくわく(水曜日)」コース
●「イラストじっくり(土曜日)」コース
は9月下旬からスタート予定です。

●「イラストレベルアップ(土曜日)」コース
●「文章たっぷり(土曜日)」コース
は11月からスタート予定です。
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上記全てのコースでガイダンス(説明会)を行っています。
7月…毎週 土・日曜日 11:00〜
  7月4日は14:00と17:00からも行います。
  7月10日・17日は17:00からも行います。
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興味のある方・受講を考えている方は、下記までお問い合わせください。
〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
URL:https://www.galleryvie.jp/
tel.078-332-5808
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2021年7月3日(土)文章たっぷりコース第16回め今期最終の授業内容・高科正信先生

2021-07-06 21:10:08 | 文章たっぷりコース
今期2020年度の文章たっぷりコース、この日が最終回でした。
前のイラストの授業の講師・安齋肇さんが東京から乗った新幹線が大雨で遅れたため、このクラスも1時間遅れで始まりました。
オンライン受講や見学の方もおられたのに、なんだか不完全な授業になってしまい、申し訳なかったです。



というわけで、この日はすぐに本題に入りました。
前回配布された、高田大介の『図書館の魔女―烏の伝言』(講談社文庫)の「識字」という章を交代で音読して、高科先生お気に入りのファンタジー巨編に触れていきました。
作者の高田氏は印欧語が専門の言語学者だということもあり、漢字がたくさん出てきて難しい文章ですが、読み進めるうちに少し慣れてきたような気がします。



物語の舞台は架空の国ですが、言葉についての記述がありました。
一人の登場人物は、文字の組み立て方に問題があってうまく喋ることができず、
仮名は書けないけど本字(漢字のようなもの)なら書けるというのです。
仮名はその文字単独では意味をなさず、「さ」と「か」と「な」を合わせてやっと「さかな」という概念になるけれど、漢字だと「魚」一字で「さかな」の概念になるので、彼にとっては仮名より漢字の方が習得しやすい、という理屈です。

今日の授業では、人が言葉を認識してそれを文字と結びつけ、人がどうやって言葉を獲得するかという
このコースの最初のところに立ち返ってみたかったと先生はおっしゃいました。



その後、長田弘の『読書からはじまる』(ちくま文庫)から
・言葉は言葉がすべてではない
・必要なのはどういう言葉か
・「・・・のように美しい」
・言葉は器量である
というところを見ていきました。。



外国語は分からなくても、顔の表情や身ぶりで、その人が楽しいのか不機嫌なのか困惑しているのかはある程度伝わるでしょう。例えば怒っているときの言い回しなどは、万国共通だからです。
赤ん坊でも母国の言葉を話すのに、大人になってから外国語を習得するのは難しい。言葉はその国の文化の習慣であるからです。

言葉というのは、その人の生き方の流儀であり、マナーです。言葉を豊かにするというのは、自分の言葉を持つことができるようになることです。流行や借用の言葉を安易に使うことをせず、自分が信じる真に必要な言葉を使うように心がければ、言葉も心も豊かになっていくことでしょう。

「・・・のように美しい」と言うとき、あなたは何にたとえますか?
どんな言葉を使うかで、一人一人のキャラクターや経験が現れてきます。それが言葉です。
自分が選び取った言葉の中に、実は自分が選び取られているのです。

「器量」というのは、器とそれに容れる量のことです。
人間の器量とは外見だけでなく心の大きさを表しますが、器量を大きくしていけるような言葉を自分の中に蓄えていかないと、これからの言葉はどんどん乏しくなっていってしまうでしょう。
例えば同じマフラーを持っていても結び方で個性が出るように、一つの言葉を「自分の言葉」にするのは、その言葉をどのように使っていくかという、言葉に向き合う態度が重要なのです。

このコースの集大成という感じで、高科先生の熱弁が続きます。
最後は長田弘の『詩ふたつ』(クレヨンハウス)を読み聞かせてくださいました。
亡くなった奥さまを思って綴った2編の詩とクリムトの絵が、美しい本でした。




「死んだら、ここではないどこかへ行くのだと思っていたら
そこからはどこにも行かない、その人が行き着いた一番遠い場所だと気が付いた」
「言葉というのは、決して言葉に出来ない思いがここにあるよと指さすことができるもの」

などなど、印象的なフレーズが出てきました。

ずいぶん昔、先生が詩人の工藤直子さんに会ったときに、
「言葉では言い表せないことはあるというけれど、それはその人が未熟だから。
きちんと言葉で言い表すことが出来るのは、その人が成熟しているから」
と言われたことがあるそうです。

言葉は、誰かに自分の意志を伝えるために存在します。
今期のテキストにした、池上彰と中内政明の『書く力─ 私たちはこうして文章を磨いた』(朝日新書)では
「書く力は読む力でもある」とありました。
先生が紹介してくれた書物や、違うものでも、少しでも心にひっかかるものがあればどんどん読んで、自分の言葉を豊かにしていってください。

今期の授業はこれで終わりです。
次の第3期ではまた違うテキストを使ったり、いろんな本を取り上げることを、先生はもう考えておられるようです。
この先も文章たっぷりコースで、言葉や文章を書くことについて深く楽しく学んでいきましょう。

今期は緊急事態宣言などで通常とは違う状況下ではありましたが
高科先生、ありがとうございました。
受講生の皆さん、お疲れさまでした。

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2021年6月27日(日)絵本ゆっくりコース・荒井良二さんの授業内容

2021-07-01 16:05:09 | 絵本ゆっくり塾
本日の授業は荒井良二さんです。
前回は緊急事態宣言期間中でもあって、オンライン授業でした。
今回は教室で授業が出来ることになりました。

やっと荒井さんにお会い出来るということで、皆さん楽しみにしていました。

コロナ禍の間、どう過ごしていたかなどのお話しをお聞きしました。



山形芸術祭で一緒だったアートディレクターの宮本武典さんとデザイン会社akaoniと『POSTじゃあにぃ』を制作されました。

コロナ禍で旅行にも行けないし家の中で楽しめるようなもの、個別で芸術祭を楽しむという思いから、スゴロクなどを作られたそうです。
他にはミロコマチコさん、ファッションデザイナーのspoken words projectの作品も封筒に入れて、POSTに届くという豪華な商品です。





荒井さんのスゴロクは、スゴロクをしながら行ったことのない国や宇宙にまで旅をしているようで楽しめそうです。
宮本さんの「1日1問、アートレッスン」は、実際に娘さんにされていたことをスクラッチで削る楽しみも加えて商品化されたそうです。





今回のワークショップは、このスクラッチの中にあることば

「砂漠のオアシスへ、水を汲みに歩いている少年を描いて。その子はおそらく実在する。」

この言葉がタイトルになる絵本を考えます。



ストーリーを考えるより、
どんな服装のどんな少年? どこに住んでいるの?といった
シチュエーションから想像出来る絵を考えます。

正解や間違いは無いです。
これはイメージを膨らませる訓練です。



いろんな絵本が出来そうですね。

例えばこの方は、
砂漠のいる少年が、近代的な生活を想像しているという場面を、見開きを使って上手く表現しています。



見る人によっては、砂漠の少年と近代的な生活をしている少年の二人を見ているようにも解釈できます。
とても面白い絵本になっていると思います。

荒井さんも「なるほど、いい表現の仕方だね」と感心されていました。



遠くの人を思い想像して絵本は出来ます。
「これだけは伝えたい!」という言葉は考えてほしい。

自分では使わない言い回しを使うために詩集などを読むのはいいことです。
オススメの詩集をお聞きしました。
『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』 斉藤倫 福音館書店

本を読んだり映画を観たりして、自分の世界を拡げていってくださいね。

授業が終わってからもサイン会が続きました。
荒井さん、お疲れさまでした。


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●「絵本ゆっくり(日曜日)」コース
●「絵本わくわく(水曜日)」コース
●「イラストじっくり(土曜日)」コース
は9月下旬からスタート予定です。

●「イラストレベルアップ(土曜日)」コース
●「文章たっぷり(土曜日)」コース
は11月からスタート予定です。
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上記全てのコースでガイダンス(説明会)を行っています。
7月…毎週 土・日曜日 11:00〜
  7月4日は14:00と17:00からも行います。
  7月10日・17日は17:00からも行います。
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興味のある方・受講を考えている方は、下記までお問い合わせください。
〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
URL:https://www.galleryvie.jp/
tel.078-332-5808
fax.078-332-5807








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