かわぐちかいじさんの「空母いぶき」を
西島秀俊さん佐々木さんで実写映画化されるとあって楽しみにしていました。
ややネタバレめ。
対するのが中国というのが外交も含めて興味深くもあり、だったのですが映画では
国籍不明の武装集団"東亜連邦"、
(一人を除いて)その敵の顔を見せず。
彼らが尖閣諸島の南小島に上陸して捕虜にする島民の姿などの話はカット。
翌年<いぶき>の完成、艦長に秋津が、副館長に新波が選ばれ、その翌年
尖閣諸島ではなく波照間島にある(架空の)初島に東亜連邦が上陸、占領という事件を起こす、から始まります。
占領された島民の姿も表現されず、一般人の姿は
コンビニを通して日常と、戦争になるのかと不安視してパニックを起こす様子が描かれていました。
政治家とジャーナリストの対決は(記者会見シーンはありましたが)、
艦に乗り合わせた新聞記者とネットニュース記者が状況を世界配信リークし
世界中から平和への反響がーーー、みたいな
そういう意味では骨太というより映画的御都合の大衆的なアピールを強く感じました。
とはいえ、史上初の「防衛出動」も出ての展開は見応えがありました。
CGも健闘。
<あしたか>残り1機のミグを撃墜したことに、
皆ショックを受けたり死なせてはいけないと敵パイロットを捜索したり。
選手防衛・人命第一の新波と、万が一の際は武力行使や命を懸けることも厭わない秋津の、
「俺たちが舵取りを間違えちゃ絶対に駄目だ」と戦争にしないための戦闘という政府の、
アクセルとブレーキ、左右する強い人間の意思が交差する様を
西島さん、蔵之介さん、浩市さんも魅せてくれました。
<いぶき>を守るために、
<はつゆき>が前に出て魚雷を受けて死者や負傷者を出したり
<はやしお>は敵に魚雷を撃たせず命も奪わないように体当たりして自ら損傷したり。
ミグが撃ったミサイルを迎撃したり、潜水艦が撃った魚雷を迎撃したり、
<いそがぜ>の主砲で駆逐艦を無力化したり、戦闘シーンを観る力が入ります。
「向こうが撃つまで撃つな」「1機も失うな。迷ったら撃て」と秋津の命を受け
アルバトロス隊5機と対ミグ10機という無勢ながらの戦いからの、
パイロット柿沼のシーンは映画見所の転機でもありました。
防衛出動が出た後、アメリカ、ロシア、イギリス、フランスの潜水艦が様子を伺っていましたが、そこに
中国も加わり(笑)まぁ、国連軍の五大国だし。。
(原作では韓国、台湾、ベトナム、オーストラリア、北朝鮮も)
総理は「俺たちが守るのは人々のささやかな日常だ」はいいとして
「大国が小国を追い詰めてはないけない」と責任追及する声を遠ざけたことには
個人的にムムムが残って。。日本ぽいけれどある程度は
不当に拘束や占領されたことに対してお得意の遺憾であるくらいは強く言えばなぁと。。
原作漫画は途中まで読んでいるところ。
「防衛出動」が出ていながら「外交に影響する戦闘は回避されたし」という命が出て
と、映画でいう<はやしお>が<いぶき>を守るために魚雷を。。という辺りです。
改変はあるものの同じシーンや台詞など実写化部分も楽しめた映画でした。
賛否両論あってしかりの作品だと思うし戦闘シーンのアラには目をつむって
今そこにある未来の危機に、憲法9条、専守防衛、自衛隊など知るきっかけにもなれば、と思います。
(映画への自衛隊協力は無かったもよう)
長々と。。(;'∀')ヘヘヘ
[コピー] 「運命の、24時間」
[あらすじ]
20XX年、12月23日未明。沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に
国籍不明の武装集団が巡視艦<くろしお>乗務員を拘束して
上陸、日本の領土が他国に占領される事態に。
海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じる。
その旗艦は、自衛隊初の空母という存在から、“専守防衛”を巡って国論を二分する議論の的となっていた<いぶき>だった。
航空自衛隊出身の艦長・秋津竜太一佐と、海上自衛隊生え抜きの副艦長・新波歳也二佐は、
やがて想定を超えた戦闘状態に直面し、国の命運がかかったぎりぎりの判断を迫られていくのだったが。。
豪華キャストーーー!
制服と帽子、艦内の暗さでキャラ立たないと目立たない方も。。
自衛隊
秋津竜太(航空機搭載型護衛艦「いぶき」艦長) - 西島秀俊
新波歳也(航空機搭載型護衛艦「いぶき」副長) - 佐々木蔵之介
湧井継治(第5護衛隊群群司令) - 藤竜也
中根和久(航空機搭載型護衛艦「いぶき」船務長) - 村上淳
葛城政直(航空機搭載型護衛艦「いぶき」砲雷長) - 石田法嗣
井上明信(海幕広報室員) - 金井勇太
淵上晋(第92飛行群群司令) - 戸次重幸
迫水洋平(アルバトロス隊隊長) - 市原隼人
柿沼正人(アルバトロス隊パイロット) - 平埜生成
浦田鉄人(護衛艦「あしたか」艦長) - 工藤俊作
山本修造(護衛艦「あしたか」砲雷長) - 千葉哲也
浮船武彦(護衛艦「いそかぜ」艦長) - 山内圭哉 ←いてまえ!の
岡部隼也(護衛艦「いそかぜ」砲雷長) - 和田正人
瀬戸斉明(護衛艦「はつゆき」艦長) - 玉木宏
清家博史(護衛艦「しらゆき」艦長) - 横田栄司
滝隆信(潜水艦「はやしお」艦長) - 高嶋政宏
有澤満彦(潜水艦「はやしお」船務長) - 堂珍嘉邦
備前島健(RF-4EJ偵察機パイロット) - 渡辺邦斗
大村正則(RF-4EJ偵察機ナビゲーター) - 袴田吉彦 ←
エンドロールで知って「ぇ、どこに?」とハッシュタグにもなっていてあるあるだったのだなと。
原作ではこのシーンから。
政府
垂水慶一郎(内閣総理大臣) - 佐藤浩市
石渡俊通(内閣官房長官) - 益岡徹
城山宗介(副総理兼外務大臣) - 中村育二
沖忠順(防衛大臣) - 佐々木勝彦
沢崎勇作(外務省アジア大洋州局局長) - 吉田栄作
赤司徹(外務省アジア大洋州局局員) - 三浦誠己 ←出演嬉しかった
一般人
本多裕子(ネットニュース P-Panel記者) - 本田翼
晒谷桂子(本多裕子の上司) - 斉藤由貴
藤堂一馬(本多裕子の先輩ディレクター) - 片桐仁
吉岡真奈(藤堂一馬のアシスタント) - 土村芳
中野啓一(コンビニエンスストア店長) - 中井貴一
森山しおり(コンビニエンスストアのアルバイト店員) - 深川麻衣
田中俊一(大手新聞のベテラン記者) - 小倉久寛
柿沼正人の妻(写真のみ出演) - AKB48横山由依
[おまけ]
夕方の回で鑑賞しました。
公開二週目、20人いたかなという観客数。最後列で鑑賞していて。
真ん中辺りで男性一人で来ていて始終ブツブツ言っては笑ったりしてモヤモヤ。
そのためにトイレ行く風に出てスタッフに伝えるのも諦めましたが、
自分付近だったりや周囲の客と揉めた場合などどうするべきか考えてしまいます。
スマホや大きな私語などマナー低下も目立つ昨今。。
てかMOVIX三郷に「空母いぶき」ポスターなど無いのが残念過ぎる。。
「
映画「空母いぶき」オリジナル・サウンドトラック [ 岩代太郎 ]」
「
空母いぶき(1) [ かわぐちかいじ ]」