隠れ茶を守る会 ブログ

茶処静岡の安倍川最上流、幻の銘茶の産地「梅ヶ島」の荒れゆく茶畑を・茶業を・景観を守るために活動を始めました。

山まつり@入島

2013年01月21日 | 梅ヶ島歳時記

1月17日は山まつりの日。どの集落でもそれぞれに安全祈願をするそうです。

今回は梅ヶ島で一番の林業家のいらっしゃる集落「入島にゅうじま」の山まつりをご紹介します。

いつからこの儀式をしてきたのか、ずいぶん昔からとのことですが、はっきりわかるのは、出納帳が残っている明治初期から。

でもその前から行われていたはずとのこと。

29曲におよぶ謡を暗記するのが、元服前の男がすべきことの一つだったそうな。

男子は厳しく仕込まれて毎晩練習したそうです。

 

かつては女人禁制の儀式も、人口減少にはたちゆかず、今では女性の参加も得て執り行います。

毎年順番に、集落を代表して伊勢神宮にお参りに行った方々が前に並びます。

その方々を中心に集落の家長全員がぐるりと輪を作ります。そして、大根を利用して作った「華」(山、山に咲く花、歌う鳥、のこぎりなどの山の道具を大根で模して作ったもの)と伊勢神宮まで運んでくれた「足=今では新幹線」)をお見せしながら、謡と共に安全祈願をしながら順に回ります。

 

その際、杯の酒を飲み干さない限り、謡のグループは隣の方に移動しません。

一巡すると、杯が一回り大きなものに換えられて、同様に回り始めます。

 

謡による祈願が終わると、子供たちお待ちかねの「銭撒き」が始まります。

伊勢神宮にて祈祷を受けた小銭を、豆まきのごとくに撒き、皆で拾い「幸運」を持ち帰ります。

 

梅ヶ島の信心深さを伺える、そして山の仕事を大切に受け継いできた歴史を伺える行事の一つです。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする