がらくたどうBlog

模型趣味とその他諸々

【SF3D/Ma.K】SNAKE EYE with Tycho Magnetic Anomaly One

2011年07月03日 | 模型完成品

 ども!とうとう今年も7月です。自分が所属する業界的にこの7月ってのが一年の〆みたいな感じでありまして、毎年所謂年度末な雰囲気でテンパってる訳ですね。

 さて、通販が命綱なプラモライフって事で、今月の通販の買い物を色々纏めていたのでありますが、最後まで買おうかどうしようか迷ったアイテムが

これの再販。映画「サイコ」の舞台となった家と敷地(笑。やるなポーラーライツっつーか、以前から気になってた製品ですが、今回はLEDでライトアップも可能っつーことでそらもう悩む悩む(笑。
ちゃんとノーマンベイツの母ちゃんのフィギュアも付いてるらしいし、丘の上の不気味な一軒家っつーことで、丘を自作できる人向けにちゃんと階段も付いてたりするのだ。
予算の都合で見送らざるを得なかったが、タイミング次第では手に入れちゃおうかと思っております。他にはF1で2003GAと車でSLS、更に車系ですが大人の事情で謎なのが二台、
それからMa.kのグリフォンが今月のお買い物です。大人の事情が高価なのでEAGLE F1迄予算廻らず。
アイテム的にそう簡単には売り切れまいと、ノーマンベイツの家同様チャンスがあれば入手したいと思ってます。
どうでも良いけど、特にレーシングカー方面は最近”大人の事情”を孕むアイテムが増えてきた気がするね。


 さて、蛇の目ことMa.kのスネークアイ、完成しました。正確には7月1日に完成してました。

 久々に完成させたSF3D/Ma.kアイテムですが、非常に作り易いキットでした。それでいて前回前々回作ったRGガンプラのように全くの手間要らずって訳じゃなく、
プラモデルとしての最低限の手間が掛かるようになってるので、私的には面白さはコッチの方が上だったです。作らされてる感ばかりで作ってる感が乏しいのはヤッパリ寂しいしね。

 今回は月面活動用として作ってみたつもり。エアブラシで塗るか筆で塗るか最後まで悩みましたが、当初から作りたいシチュエーションがありましたので、それに合わせて単色塗装を選択。
巷の定番説に乗じて今回は結局筆塗りを選択してます。

 月面ってのは製作開始時点から決まってたんですが、実は恥ずかしながら今まで月に行ったことがないので月面がどんなトコか全く知らない俺ちゃん。
今更ながらですが、ちょいと月面をWIKIやらYoutube等で調べてみました。そこで得られた情報を元に考えてみたんですが、
所謂ウェザリングとして定番な手法の多くが矛盾を生んでしまうことになり、かと言って真っ白単色塗装筆塗りなのでエアブラシでの陰影付けみたいな情報追加をしてないので
こいつぁどうしたもんかとネット上をウロウロしながら思案した結果、走ってしまったのは塗料の全力剥げ表現方向(笑。
いやぁ、これはチッピング入れすぎだろう?と自分で自分にツッコミながら、これでも大袈裟な部分のチッピングをかなり消してるんですが、それでもちょっと多すぎか。

膝頭や足首前半部分は、基本塗装の段階でシンナー含ませた綿棒使って塗料を擦れさせ下塗りが透けて見える様にしてます。


あと、デジカメで撮ってみて気付いたのは、塗装の禿げ剥げに対してデカール部分がが生き残りすぎですね。これはこの画像撮影後に修正を入れておきました。

 そして今回のメインイベント。



 このシチュエーションを作りたくて製作開始した様なものです。モチーフは見ての通り「2001」のティコモノリスことTycho Magnetic Anomaly One(TMA-1)。
偶々このタイミングで「2001年宇宙の旅」を鑑賞していて思い付いたというか思い出したというか。
 思い出した様な・・・ってのは、似た様なシチュエーションをMa.K兵器を使って作ったヴィネットを雑誌かネットか忘れたけど何処かで見掛けた気がするんですよね。
ググってみたけど引っ掛からないからタミヤの人改コンとかかな?何れにせよ、宇宙服と宇宙用戦闘スーツを引っ掛けて、
2001年宇宙の旅で月のティコクレーターを掘削中に出てきたTMA-1をおどろおどろしいコーラスの声が響き渡る中、好奇心に負けて触れてしまう情景を作ってみました。


 モノリスは
「全くの無傷で光を反射しない黒」
「直方体であり、各辺は1とそれ以外の素数の最初の3っつの各々の2乗。つまり各辺の比は1:4:9」
「近付いたり触れたりなんかすると後々なんか起きる(笑)」
等々設定がありまして
単に板っ切れを用意すればいいってもんでも無いと知る。月のTMA-1の場合、全高が地中埋設部分を含めると3mチョイということだったので、キットが1/20スケールである事から寸法を決め素材探し。
最終的に辿り着いたのはアクリル材でした。希望としては先の3mチョイという高さを考えて、長辺で15~17cm程度の材料探したんですが、全くの一枚板だと1:4:9に上手く収まるサイズが無い。
以前

こういう商品が出た際に「ただの板きれにアホですか?」とかブログのネタにしましたが、成る程単純でいて結構難しいとその商品の存在意義を今回図らずも知ることとなりました。
一応金属板やアクリル板を切り出せば可能ですが、コストが嵩むので割に合わない。木材やプラ材など加工が楽な素材だと各エッジのシャープさが無く表面を完全なフラットにするのが不可能に近い。
簡単そうで居て設定に拘ってみると全然簡単ではないことを製作開始してから知ってしまう結果に。先のアクションフィギュア購入も考えましたが、国内では中々入手が難しくなってる上に
価格が”輸入価格マジック”で高い上にサイズも全高200mm近いのでTMA-1換算だと大きさも合わないので結局却下。あれこれ素材探しをしてて随分時間を使っちゃったんですがピタッと来る物は無く
結局最終的に複数のアクリル板材と棒材を組み合わせて自作しました。コストも総額700円弱で、15mm以上の板厚のアクリル材を加工以来するのに比べたら遙かに安く上がってます。
サイズも短辺が18mm、底辺が72mmで高さが162mmになりました。映画のプロップは演出最優先で、1:4:9になってないモノリスが多用されてんですが、今回は拘ってみました。
コスト的には安く上がったけど、相手がアクリル材なので切断切削加工がメチャクチャ大変でした。スネークアイ本体作るよりコッチの方が大変だったり。
また、塗装はガイアの黒サフェーサーが実にイイ感じだったので採用してます。


 月面は、土台に前回のザクの時に使用した紙粘土が余っていたので其れをデコパージュに敷き詰め、その上に粗目に練ったドフィックスを敷いて基礎とし、
その上に着色石英(リアルサンド)を水溶き木工ボンドで定着させてます。紙粘土層、ドフィックス層、砂地層と一層作る毎に蛇の目本体を乗せて足場をスタンプしておきました。

更に石膏の粉や欠片等を適当に撒き散らし、最後に表面の色をライトグレイ・ライトシーグレイ・バフ等のアクリル塗料で整えました。

 ネタとして、我が家のウェザリング表現アイテムってのは、基本が車模型ばっかりだったので非常に脆弱です。手持ちの物はタミヤのエナメル塗料を除くと以下の物しかストックしてません

下段左からアクリラガッシュ(アクリルガッシュじゃないよん)のランプブラック・セピア・バントアンバー・チタニウムホワイト・消墨色(和)・鉛色(和)の6色とカステンのブリック・ブラスター・コンクリートの三色。
上段のパステルがヌーベルのW003・W004・006・007・S010・055・144・147と、それにタミヤウェザリングマスターB・C・Dの3種があってこれで全財産(笑
巷の達人の間では、よく油彩が使われるようですが、私は油彩が苦手です。何と言ってもその乾燥の遅さが我慢なりませぬのでストックはゼロ。これはもう性格だから仕方ない。
その代わりと言っちゃぁなんですが、結構な色数をタミヤエナメルでストックしてて、これがペトロールやターペンタインで希釈から伸ばしまで可能なので一応カバーできます。
っつー訳で、今回はこれら手持ちのアイテムだけでウェザリングをどうするか考えました。

 基本の墨入れはタミヤのエナメルでダークグレイ・艶消し黒・ウッドブラウン・フラットブルーを混ぜ薄めた物を先ず全体に塗りたくってウォッシング。
モールドの強調がメインでウェザリングとしては通常のウォッシング程残らない様綿棒で拭き拭き。
ポーズ固定でペトロール浸食でパーツ割れたらどうしようってのが前回前々回のガンプラと違って心配が少ないので気が楽な作業です。
 次にチッピングは、今回のネタのお陰で巷の「そのスジの人」達のブログ等を見て回ったんですが、どうも私がチッピングとして使用してる技法が間違ってるかマイナーな感じ。
私の処方ですが、アクリラガッシュやエナメル塗料を 死にかけの筆・製図用面相筆・使い古しのエアブラシニードル・スポンジの欠片などを使って乗せていき、
乾燥後に爪楊枝などで剥がれ具合を調節したり余分を剥がすって方法なんですが、巷の手法は下塗りを活かして本塗装の一部を実際に剥がす方法がメジャーな様です。
下塗りにメンタムやパステル仕込んで剥がす方法ってのは知ってんですが、いつだったかデモドリさんが紹介していたシリコンバリア仕込み方とかものすげぇリアルな剥がれ表現が可能なようですな。
とはいえ、田舎じゃ「シリコンバリアって何?美味しいの??」っつー位そこらには売ってないアイテムなので、今回は先述のマイナー(?)手法にて施してます。
今回は月面用って事で勝手に地金→下層下塗り→放射線防護用鉛層→上塗りと塗装されていると設定して、チッピングの基本は鉛色にて入れています。
極一部、最下層まで逝っちゃった部分にセピアを使いましたが

チッピング表現はほぼ全てアクリラガッシュの鉛色。巷ではターナーのアクリルガッシュが有名ですが、我が家のは何故かホルベインのアクリラガッシュです。
失敗してもタミヤのアクリル溶剤で或る程度は落とせますし、乾燥も早く乾燥してしまえば爪楊枝でコリコリ剥がすことも出来ます(機体塗装がラッカーであることが大前提)。
風が吹くとか地球上以上に猛烈な勢いで砂岩が飛んでくるとかは無い環境下って事で、下半身は強めに、頭の方に上がるに随って剥がれが少なくなる様に一応考えてはいます。

 次にアポロ計画の中で、シーリング部にまとわりつき時には内部にまで侵入する事さえあったと言われる程砂に悩まされたらしいので、
グレー系のパステルを数種類使って足許及びシーリングカバーを中心に砂による汚れを入れました。


また、同じく砂トラブルを考えると各可動部やジョイント部分にはグリスが注されていたであろうと勝手に妄想して、
エナメルのスモークにクリアー系塗料を混ぜた物を塗り込んでペトロールで滲ませたりターペンタインで伸ばしたりしてます。
最初の方で問題にしたマーキングのダメージは、この時点で追加すると共に、極一部の部位に最後に加えたセピアでのチッピングが蛇足だったようなのでこの時点で殆ど消してしまいました。
あと、当初はキットのパーツのみで作ろうと思ってたんですが、膝から背中に通る蛇腹パイプと左腕のレーザーに通る蛇腹はパーティングラインを消すのが面倒なので
市販のスプリング(脚2.5mm・腕1mm外径)に交換してます。

この際に膝のジョイント部には3mmプラパイプをドリルレースで段付き処理した物を、腕の方は手持ちのストックパーツにあった真鍮製の両テーパーパイプをそれぞれ仕込んでジョイント基部にしてます。
また足首のパイプは省略されていたので0.6mmハンダ線で再現し、ここも基部はWAVEの六角ナットを加工して仕込んでます。線やパイプはどうしても基部がないと気になってしまう。
バーニア部分は、黒鉄色と焼鉄色のブレンド色をエアブラシで塗装してタミヤのウェザリングセットDを使って若干の汚し。

 ベースに乗せた所でベースとのマッチングを見ながら砂埃表現をパステル粉使って追加したり、余計だと思えた表現は消してみたりと微調整。

っつー訳で無事完成。展示会までにプレート作っておこう。

して、展示会ですが、8月の20(土)・21日(日)の両日、大分県中津市の市立図書館ホールにて開催されます。
中津模型展示会 開催案内
持ち込み出品も大歓迎ですので、お近くの方が居られましたら是非御参加下さいまし。勿論、見に来るだけ、冷やかしに行くだけの方も大歓迎。破壊活動だけは御勘弁下さい(笑

 最後にツールネタ。

5月に出張ついでに立ち寄った模型店で、クレオスのボトルオープナーが売ってたのを見掛けまして、
「これ、オモチャみたいなアイテムにしか見えない割に高いよな~」
って思ったんですが、ここんとこ固着した瓶を開ける度にウォーターポンププライヤー出してきて悪戦苦闘するのに辟易してたこともあり
騙されたと思って買ってみたんですが、これが笑っちゃうくらい便利でありまして、あっという間に必需品に昇格いたしました。
ガンプラやら蛇の目やらで普段使わない我が家での二軍落ち塗料共の蓋が悉く固着しておりましたが、この道具を使いますと
今まで「縛られたり叩かれたりするのは嫌!」っつってた愛人が自ら「縛ってー」だの「もっとぶって!」だの言うようになっちゃった位に簡単に蓋が開きます。
今までの苦労は何だったんだと思うこと請け合い。使い始めてから「これを使っても蓋が開かない」ってのには今のところ出会っておりません。優れ物です。
これと溶媒液のお陰で、折角買った塗料を捨てずに済むってのが随分減りますんでホント助かる。

 何はともあれ一ヶ月チョイで三つめの完成。展示会までにもう一個くらい何か作れそうな気もしますな。本業に差し障りのない範囲で、可能であれば何か作ってみようかと思います。


コメント (8)
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