ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】グッドバイ

2013年12月08日 | 演劇

日本文学へのリスペクトを込めたオリジナル新作戯曲シリーズ「日本文学シアター」

劇作家 北村聰氏とシス・カンパニーが企画している。

その第1弾が、この「グッドバイ」

太宰治の未完の小説「グッドバイ」がモチーフとのこと。

恥ずかしながら、「グッドバイ」は読んでいないので、そもそもがよくわからない

あらすじは・・・というと・・・

大学で、哲学とミステリ文学を教える黄村(こうむら)先生には、8人の愛人がいる。
大学の理事長である正妻の命を受け、助手の渡山(とやま)が、愛人たちとの清算を画策する。
渡山の恋人が秘書として送り込まれ、黄村先生の結婚相手として、8人の愛人一人一人と決着をつけに行く。
彼女の最後の決まり文句が「グッドバイ」・・・。

大学の理事長と結婚する前に、最愛の妻を病気で亡くした、欺瞞と悔恨に揺れる教授を
いかにも堅物っぽく見える、段田安則さんが演じる。
8人も愛人がいるってわりにはなんだか清潔感が漂う。
これが後への伏線となっているのだけれど・・・。

理事長からの命令で、出世と引き換えに黄村先生と愛人たちの関係を絶つために、
自分の恋人を使っちゃうっていう、見かけは実直そうだけどそこそこしたたかな助手は柄本佑さん。
柄本明さんのご子息だ。
テレビで観た感じよりも、背が高くて、かっこいい
冷静な策略家でありながら、先生が恋人に手を出したりしたら困るので、
恋人にわざと河内弁を話させてガラの悪い女を演じさせたりするなどという、ちょっと人間臭い一面も見せたりもする。

その恋人が蒼井優さん。
ホントにお顔が小さくて、内臓が全部入ってるのかしらってくらい細くてらっしゃる。
可愛い声で、ガラの悪~い女を演じてるのに、彼の前では途端にしおらしくなっちゃうのが、かわいらしい。

先生と彼女が待ち合わせる屋台の主人は、半海一晃さん。
人生の酸いも甘いも知り尽くした渋さみたいなものが漂っていて、
小柄なのに、どっしりとした安心感。

そこに現れる太宰気取りの、変な男に、高橋克実さん。
とんちんかんなことを言ったり、変に絡んでいや~な感じを醸し出したりして、
少し中だるみしそうなところでちょうどよく笑いを誘ってくれる。

同じく屋台に現れる、ハスキーボイスの流しの女の人が、
なんかどこかで見たことのあるオバサマだな、と思っていたら、山崎ハコさんで、びっくり。

昔、ものすごく暗いイメージだったけれど、なんだか可愛らしい。

8人の愛人、っていうと、なんだかすごく嫌な響きだけれど、
結局はさわやかな終わり方で、なんとなくハッピーエンド。

ちょっと心が温まる、とても後味のいいお芝居だった。

席は後ろの方だったけれど、会場のシアタートラムは、それほど広くなくてとても見やすい。

その前に観た、チェルフィッチュのちょっと殺伐とした雰囲気とはうって変わって
ほわんとした気持ちで家に帰る。

家に戻れば次男は期末テストの真っ最中。
しかも、受験生・・・

「ほわん」となんて、していられませんね






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする