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【観劇メモ】ザ・空気ver.3 そして彼は去った・・・

2021年02月08日 | 演劇

【ザ・空気ver.3 そして彼は去った・・・】

作・演出 永井 愛
東京芸術劇場シアターイースト
緊急事態宣言下、行こうかどうしようか、ギリギリまで迷ったあげく、やっぱり行ってしまった。
「ザ・空気」シリーズは
1作目、2作目とも観たので、この完結編を見逃す訳にはいかない。
テレビ局を舞台にしたこのシリーズ。
国を揺るがすようなスクープを報道しようとするジャーナリスト達が、権力者からも、仲間からも妨害されて、結局目的を遂げることができない。
そこに至る使命感、葛藤、挫折、敗北感が、観ている私にもひしひしと伝わってきて、なんともやりきれない。
1作目では、田中哲司さんが仲間に裏切られ、屋上から飛び降りた。
一命をとりとめ、職場に復帰すると、裏切った仲間はみんな出世していた。
2作目では、ネットニュースの記者安田成美さんと、テレビ局の社員の眞島秀和さんがスクープを報道しようとするが、さまざまな妨害にあい、結局ネットニュースのでっち上げ、ということにされて葬られてしまう。
今回は、今まさに日本で起きている問題の裏側を証拠とともに生放送で放送しようとする。
まだ上演中なのでこの先は・・・
今回は佐藤B作さんと神野三鈴さんがスクープ報道を企てる。
重い内容だけれど、随所に笑いがちりばめられていて、すっと内容が心に入ってくる。
神野さんは何度か舞台でお見かけしているけれど、こんなにコミカルな演技を見るのは始めてかも。
困ったドタバタ感がホントに面白い❗
お相手がベテラン佐藤さんなので、より掛け合いが面白い。
失敗してもケロッとして憎めない今時の若者ADを演じた金子大地くんがいい味を出していた。
彼の大失敗がみんなの運命を変えてしまう。
テレビ局の社員、外部の制作会社、フリーのコメンテーター、それぞれの立場で右往左往しながら、それぞれのやるべきことを全うしようと必死。
それは、どの職種でも同じなのかもしれない。
それにしても
「編集権」なるものの存在を今回初めて知った。
報道機関の経営者には「編集権」というものがあり、都合の悪いことは編集しちゃえるらしい。
人事権を持つ経営者がそんな権利を持っていたら、政権を揺るがすようなスクープなんて切り取られてしまうんだろうな。
前政権のときにも、他のことでは歯切れのいいコメントをするキャスターやコメンテーターが、え?それ以上つっこまないの?ってことが多々あったけれど、そういうことだったのか、と妙に納得。
今さらだけど情報操作なんて簡単なんだろうな、とうすら寒くなる。
コロナ禍の今、情報が入り乱れ、何が正しいのかよくわからない。
偉い人の顔色を伺ってる場合ではないのだ。
溢れる情報の中から正しいことを見つけるのは至難の技。
自分に都合のいいものに目が行きがち。
ステイホームでテレビやネットのニュースを目にする機会も増えている今、踊らされないように、とは思うけど、どうしたらいいのかわからないなぁ。
なんてことを
しみじみ考えた今回の舞台。
「ザ・空気」シリーズはこれで完結とのことだが、終わってしまうのはホントに惜しい。
そして、なんの迷いもなくすっと観劇に行ける日が待ち遠しい。

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