「カウラ・ブレイクアウト」
第2次世界大戦下、オーストラリア・.カウラ捕虜収容所で1104名の日本人捕虜が集団脱走を遂げた事件。
この脱走で命を落とした日本兵は234名。
ジュネーヴ条約を遵守し、待遇のよかったこの収容所をなぜ、これほど多くの日本人が脱走しようとしたのか・・・。
そこに至るまでの収容所の一部屋で交わされる話合いや葛藤を描いた舞台。
同じ班に所属する日本人捕虜たち、その代表である班長達が集まる班長会議での決定、その決定事項に対しての多数決。
一見、民主主義的な方法でことは進められていくけれど、
「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すことなかれ」という「戦陣訓」の教えが
捕虜たちの心をがんじがらめにしている。
恥ずかしながら、歴史にはめっぽう弱い私・・・。
捕虜と言えばシベリア・・・くらいの浅い知識しか持ち合わせていない・・・。
この舞台を観に行くことになってなければ、たまたま朝日新聞に載っていたこの記事にも気が付かず、
スルーしてしまったことだろう。
「ルポ 多文化国家の素顔 [第3回] カウラの戦中・戦後日本兵捕虜の脱走事件とオーストラリア」
http://globe.asahi.com/feature/100405/side/02_03.html
この舞台の脚本・演出は坂手洋二氏。
燐光群という劇団を主宰している。
坂手氏は昨年のセミナーの講師として何度か講義をしてくださった。
この舞台に、やはり同セミナーの受講生だった俳優の山森信太郎さんが出演することとなり、
ご案内をいただいたので、行ってみることにした。
先月のセミナー卒業生によるリーディングを設定してくださったのがこの山森さんだ。
皆さんからは「髭さん」と呼ばれている。
劇場は下北沢の「ザ・スズナリ」
有名だけれど、私は初めて。
なぜなら、下北沢は私の家からはそこそこ遠くて、下北沢での公演、って言うと
観たいなあ、と思っても、ちょっと二の足をふんでしまいがち・・・。
現代のオーストラリアの学生が、この「カウラ・ブレイクアウト」についての映画を作ろう、としている設定。
本当にオーストラリアの俳優さんたちが5人出演し、英語で台詞をいい、字幕が流れる。
坂手氏の舞台は以前にも一度観たのだけれど、ちょっと私には難しくて、今一つ、ついて行ききれないところがある。
収容所内で捕虜たちが話し合っているかと思えば、突然現代の学生たちと、元軍曹役を演じるという男性たちが現れ、
映画の内容について話しだす。
ってことはこの捕虜たちも映画の中での配役っていう設定なのかしら?
それとも史実を本人たちとして表現しているのかしら?
となんだかわからなくなってくる。
その上、そこに福島の問題も乗っかってくるので、これまた浅い知識しかない私はもうお腹いっぱい。
途中、学生役の女性たちがパネルを持ち、客席に向かって、歴史の授業のように、
カウラの位置をはじめとして、この事件の内容の補足説明を始める。
そこまでの説明はちょっといらないんじゃないかなあ、と思ったりもする。
そういうことも含めて、全体的に説明が多い感じで、自分で想像する余地をもう少し残してくれてもいいような・・・。
NHKのドキュメンタリー番組の再現フィルムのような感じ・・・というのかしら。
もっとも私のように、翻訳劇などでいつも背景がよくわからずにいるようなフトドキ者には
これくらい説明してもらわないと、伝えたいことの本質が理解できないのかも
それにしても、戦時下の教育による洗脳(?)は本当に恐ろしい。
この脱走は生きるための脱走ではなく、死ぬための脱走だ。
捕虜として生き延びてしまえば、家族に迷惑がかかる、生き恥をさらすことになる、
それなら脱走して撃ち殺されよう、殺されなければ自害しよう、と本気で考え脱走するのだ。
それも、全員で・・・
この史実をを知らずに観ていた私は、本当に恐ろしい気持ちになった。
安倍政権のもとで、憲法9条の意味が少しずつ捻じ曲げられようとしている今、
妙にリアリティを持ってじわじわと響いてくる恐ろしさだ。
設定のわかりにくさ(私だけです)はあったものの、この舞台を日本のみならず、
オーストラリアでも公演する意味は大きいと思う。
東京公演は昨日が千秋楽。
このあと神戸・名古屋と続き、カウラ・キャンベル・シドニーで公演するとのこと。
髭さん、このあともがんばってくださいね
第2次世界大戦下、オーストラリア・.カウラ捕虜収容所で1104名の日本人捕虜が集団脱走を遂げた事件。
この脱走で命を落とした日本兵は234名。
ジュネーヴ条約を遵守し、待遇のよかったこの収容所をなぜ、これほど多くの日本人が脱走しようとしたのか・・・。
そこに至るまでの収容所の一部屋で交わされる話合いや葛藤を描いた舞台。
同じ班に所属する日本人捕虜たち、その代表である班長達が集まる班長会議での決定、その決定事項に対しての多数決。
一見、民主主義的な方法でことは進められていくけれど、
「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すことなかれ」という「戦陣訓」の教えが
捕虜たちの心をがんじがらめにしている。
恥ずかしながら、歴史にはめっぽう弱い私・・・。
捕虜と言えばシベリア・・・くらいの浅い知識しか持ち合わせていない・・・。
この舞台を観に行くことになってなければ、たまたま朝日新聞に載っていたこの記事にも気が付かず、
スルーしてしまったことだろう。
「ルポ 多文化国家の素顔 [第3回] カウラの戦中・戦後日本兵捕虜の脱走事件とオーストラリア」
http://globe.asahi.com/feature/100405/side/02_03.html
この舞台の脚本・演出は坂手洋二氏。
燐光群という劇団を主宰している。
坂手氏は昨年のセミナーの講師として何度か講義をしてくださった。
この舞台に、やはり同セミナーの受講生だった俳優の山森信太郎さんが出演することとなり、
ご案内をいただいたので、行ってみることにした。
先月のセミナー卒業生によるリーディングを設定してくださったのがこの山森さんだ。
皆さんからは「髭さん」と呼ばれている。
劇場は下北沢の「ザ・スズナリ」
有名だけれど、私は初めて。
なぜなら、下北沢は私の家からはそこそこ遠くて、下北沢での公演、って言うと
観たいなあ、と思っても、ちょっと二の足をふんでしまいがち・・・。
現代のオーストラリアの学生が、この「カウラ・ブレイクアウト」についての映画を作ろう、としている設定。
本当にオーストラリアの俳優さんたちが5人出演し、英語で台詞をいい、字幕が流れる。
坂手氏の舞台は以前にも一度観たのだけれど、ちょっと私には難しくて、今一つ、ついて行ききれないところがある。
収容所内で捕虜たちが話し合っているかと思えば、突然現代の学生たちと、元軍曹役を演じるという男性たちが現れ、
映画の内容について話しだす。
ってことはこの捕虜たちも映画の中での配役っていう設定なのかしら?
それとも史実を本人たちとして表現しているのかしら?
となんだかわからなくなってくる。
その上、そこに福島の問題も乗っかってくるので、これまた浅い知識しかない私はもうお腹いっぱい。
途中、学生役の女性たちがパネルを持ち、客席に向かって、歴史の授業のように、
カウラの位置をはじめとして、この事件の内容の補足説明を始める。
そこまでの説明はちょっといらないんじゃないかなあ、と思ったりもする。
そういうことも含めて、全体的に説明が多い感じで、自分で想像する余地をもう少し残してくれてもいいような・・・。
NHKのドキュメンタリー番組の再現フィルムのような感じ・・・というのかしら。
もっとも私のように、翻訳劇などでいつも背景がよくわからずにいるようなフトドキ者には
これくらい説明してもらわないと、伝えたいことの本質が理解できないのかも
それにしても、戦時下の教育による洗脳(?)は本当に恐ろしい。
この脱走は生きるための脱走ではなく、死ぬための脱走だ。
捕虜として生き延びてしまえば、家族に迷惑がかかる、生き恥をさらすことになる、
それなら脱走して撃ち殺されよう、殺されなければ自害しよう、と本気で考え脱走するのだ。
それも、全員で・・・
この史実をを知らずに観ていた私は、本当に恐ろしい気持ちになった。
安倍政権のもとで、憲法9条の意味が少しずつ捻じ曲げられようとしている今、
妙にリアリティを持ってじわじわと響いてくる恐ろしさだ。
設定のわかりにくさ(私だけです)はあったものの、この舞台を日本のみならず、
オーストラリアでも公演する意味は大きいと思う。
東京公演は昨日が千秋楽。
このあと神戸・名古屋と続き、カウラ・キャンベル・シドニーで公演するとのこと。
髭さん、このあともがんばってくださいね
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