ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】赤鬼

2024年08月17日 | 演劇

「赤鬼」

作 野田秀樹

演出 キイチゴ

2024/7/27 新生館スタジオ

予想を上回る面白さだった。

東武東上線沿線の小さな劇場で

観客も30人もいただろうか・・・

観客がそれだけなのがもったいないくらいだった。

あの野田秀樹さんが書いた「赤鬼」は

いろんな方が演出して上演されている有名なお芝居。

私も10年前に今は無くなってしまった青山円形劇場で

中屋敷法仁氏演出、

黒木華さん、玉置玲央さん、柄本時生さん、小野寺修二さん(赤鬼)

が出演していたのを観た。

希望と絶望が入り混じる、

重く深い物語で、

当時で初演から20年近くたっているというのに

今の時代でも起こりえることとして、古さを微塵も感じなかった。

赤鬼 - ゆるゆるらいふ (goo.ne.jp)

大きな劇場

円形の舞台

実力ある有名俳優さんたち

主役以外のたくさんの出演者

これをたった4人でどう演じるんだろう

大丈夫なんだろうか

などなど失礼ながら、勝手に心配していたが

杞憂だった。

面白い!

休憩なしの90分、え?終わり?って感じだった。

海で遭難し、助けられた「あの女」が直後に自ら命を絶つシーンから始まり

そこに至る回想の形で物語が始まる。

言葉が通じない異国の人が島に流れ着き、赤鬼と呼ばれ忌み嫌われる

村人に疎んじられる「あの女」

その兄でちょっと知的障害のある「とんび」

「あの女」のことが好きで村一番の嘘つき「水銀(ミズカネ)」


幼馴染の3人が一緒に暮らしているところに、赤鬼が加わり、言葉通じないけれど、次第に心を通わせていく。

異質なものへの差別、偏見、

それを受ける側の葛藤、海の向こうへのあこがれ。

4人は小さな船で沖に出て、漂流する

せっかく助かった彼女を自死に追いやった「絶望」の正体が徐々にあきらかになり・・・

衣装は同じままで、

赤鬼をのぞく3人はくるくるといろんな人物になる。

それが違和感が無いし

セットもないけど、

ロープを使って、船や、家や、拒絶の感情など様々な表現をする。

とても分かりやすくて引き込まれる。

最初と最後に「とんび」が同じセリフを言うのだけれど

始めに聞いた時と最後に聞いた時では

受け止める観客の側の思いがすっかり変わっている。

トンビを演じた方が、

10年ほど前に学んだ「戯曲セミナー」のお仲間で

公演のお知らせをいただいた。

彼が出演していなければ、観に来なかったと思う。

あぶないあぶない!

こんな面白い舞台を見逃すところだった。

この日はセミナーのほかのお仲間も来ていて、

帰りに5人でお茶をして、

久しぶりに熱く語り合ってしまった。

大きな劇場で、有名な俳優さんが演じる舞台はもちろん面白いけれど、

小劇場も侮れない。

確かに当たりはずれはあるけれど、

面白かった時の感動とお得感は計り知れない。

いいものを見せていただきました。

この日はここに来る前に、

セミナー仲間の一人が住む川口市に行き、

NHKの映像ミュージアムに連れて行ってもらった。

映像を作る現場のあれこれが見られて楽しい。

お天気お姉さん体験をしたり、

空飛ぶ絨毯に乗って特撮で飛んでる自分を映像で見たり、

大人も楽しい。

ゲリラ豪雨で外に出られなくなったので、

2時間無料のNHKのテレビ番組のアーカイブをそれぞれ楽しみ、

劇場に向かった。

盛りだくさんの一日。

暑いけど、楽しいことはやめられない。


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