ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

息子のモチベーションがやや復活した出来事

2020年07月18日 | 福祉

クリニックに事務職として勤務する息子は、

家族がテレワークや自宅待機中も休まずに毎日出勤していたけれど、コロナ禍の赤字でボーナスは0.9か月。

あんなに働いたのになあ、と最近ちょっとお疲れ気味。

そんな彼が今日はちょっと明るい表情で帰宅。

食事をしながら今日の出来事を話し始める。

2年ほど前に訪問看護ステーションに移動になった息子は、ほどなくケアマネジャーさん(私と同年代)にカラオケに誘われた、という。

このケアマネさんはかなり仕事熱心な方だとか。

彼女のお誘いは・・・

担当の患者さん(おじいさん)は高齢の奥様が介護するいわゆる老々介護。

その奥様が急逝してから認知症が進み感情のコントロールがむずかしくなり、代わって介護している娘さんがかなり疲弊している。


おじいさんはお元気だったころ地域のカラオケクラブのリーダーだったので、カラオケをしたら少し気持ちが変わるかも。


ただ、医療行為ではないので残業代はつかないけれど、もしよければつきあってくれないか、と。

特に用事もなかった息子は、ケアマネさん、おじいさん、娘さん、と一緒に1時間ほどカラオケをして、おじいさんはご機嫌で帰ったとか。
娘さんにとっても気晴らしになり、こんなことにまでつきあってくれて、とケアマネさんに感謝していたらしい。


息子は、今の部署では直接患者さんと接することは無いので、その日がおじいさんとは初対面。そしてそれっきり。

この春コロナの影響で訪問看護が一時ストップし、おじいさんは施設に入所することができたらしい。

そんなことがあったのも忘れていた今日、車椅子に乗ったおじいさんが娘さんと外来を受診した。


息子は違うフロアにいたけれど、たまたまそのフロアに行ったら、おじいさんが自分を指さして何か言っている。


娘さんが耳を近づけて「そうそう、あのときカラオケに行ってくれた人だよ。覚えてるの?」と、とても驚いていたそう。


そのまま通り過ぎるのもなんなので「お久しぶりです」とご挨拶したら手を伸ばしてきたので握手してきた、と息子。
2年も前に、たった一度カラオケしただけの自分のことを認知症の人が覚えていてくれた、ってことがなんだかうれしかったらしい。

おじいさんの長い長い人生の中のたった1時間を共にした息子だけれど、その1時間がおじいさんの大切な時間の一つとなったのなら、息子にとっても幸せなことだ。

少しずつこぼれ落ちていくおじいさんの記憶のかけらの中の一片に、息子が刻まれていて、いまだこぼれ落ちずにいる、ということは親としてもちょっとうれしい。

相変わらず病院は赤字で冬のボーナスはもっと期待できないけれど、思いがけない心のボーナスをいただいて、少しモチベーションが復活したようです。


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