「ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女~」
原作:スーザン・ヒル
脚色:スティーブン・マラトレット
演出:ロビン・ハーフォード/アントニー・イーデン
翻訳:小田島恒志
PARCO劇場 2024/6/22
少し前のことになるけれど、
大学の同級生と一緒に渋谷PARCO劇場に向井理クンを観に行った。
有名なホラーとは知らずに・・・
向井理クンと勝村政信さんの二人芝居だ。
席は前から3列目のど真ん中
向井理君は「俳優」
勝村政信さんは「弁護士」(キップス)
キップスは青年時代の呪われた体験を、
彼の家族に打ち明けて、呪縛から逃れようとする。
告白文があまりに長いので、キップスの役を俳優(向井くん)、
キップスが出会う人たちをキップス(勝村さん)を演じる形で
「芝居」が始まる。
俳優の向井くんは
とてもクールだけれど、
時に厳しく時に慈悲深く、キップスを導いていく。
キップスの勝村さんは
情けなかったり
コミカルだったり
時々に頼りになったり
ホラーの中にも、ちょっと笑える部分があって、ほっとする。
すでに亡くなって、そこにいるはずのない黒い服の女を見たものの末路は・・・
そこに起こる悲劇は・・・
そして俳優はどうなるのか・・・
張り巡らされた伏線と
舞台の上の仕掛けに
私たちは、ドキッとしたり、はらはらしたり、
悲劇に苦しくなったり、ホラーに背筋が寒くなったり
ちょっとコメディに笑ったり・・・
向井君の長い長いセリフに
すごいな~と思ったり
感情の行ったり来たりが忙しい
大がかりな舞台セットではないのに
遊園地のお化け屋敷の中にいるような錯覚に陥る。
ときどきふっと現れる黒い服の女性の姿に、
ぐっと足に力が入ったりする。
わ~、その扉開けちゃダメ~、と心の中で叫んじゃう
前の日あんまり寝ていなかったので、
途中眠くなるかな、と思ったらとんでもない。
前に乗り出し気味に食い入るように観てしまった。
ときどき、向井君や勝村さんが客席から登場するのも嬉しい。
それにしても向井君の顔の小さいことったら!
そして手足の長いこと!
指まで長い(何を見てるんだ)
勝村さんのコミカルなところや悲壮感漂うところなどの
緩急とその間(ま)がさすがです。
キップスの告白の悲劇と
俳優のプライベートな話の内容から、
俳優の身に近い将来起こるであろう悲劇を観客が思い描きながら幕が下りる。
最後の最後、カーテンコールまで気が抜けない。
油断してたら「わ~」ってびっくりしちゃう。
あ~面白かった!
面白いお芝居の余韻に浸りながら
彼女と会う時は恒例となっている、
東京国際フォーラムの中でのお茶をしながら怒涛のおしゃべりをして、
楽しい一日を終えるのでした。
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