人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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慶應ワグネル/オーケストラ第199回定期演奏会

2009-10-12 05:05:26 | 音楽
[昨日NHKで放送、ホグウッドの「スコットランド」はクレンペラーもびっくりの速さ、
激しいメンデルスゾーンだった。NHKhiメトの「トリスタンとイゾルデ」では歌手の体
格のよさにこれまたびっくり。]
10月11日(日)、毎月のように行くすみだトリフォニーホールへワグネルのオケを
聴きに行ってきた。すみだトリフォニーホール大ホールは約1800席。規模的には文
京シビックホールとほぼ同様だが、文京シビックが2階建てであるのに対してすみ
だトリフォニーは3階建てである。音響も満席時約2秒と文京シビック同様にいい。

会場は少なくとも1階はほぼ満席、ロビーも混雑していたからよく入っていたので
はないかしらん。もしかすると新日フィルの定期より売行きがいいのではないだろ
うか。会場では山田太門部長(教授)、福岡正夫先生のお姿を見かけた。

ワグネルのオケを聴いてみたいと思ったのは、慶應150周年記念特別演奏会(マー
ラーの2番「復活」藤岡幸夫指揮)がなかなかうまかったからである。

<プログラム>
1.ベートーヴェン 「エグモント」序曲
2.チャイコフスキー 「白鳥の湖」抜粋
3.バルトーク 管弦楽のための協奏曲
指揮;大河内雅彦

1.ベートーヴェン 「エグモント」序曲
  時間とともに弦楽器パートが左右から入場。温かい拍手が沸き起こる。--プ
 ロのオケの場合はコンマス入場までは拍手が起こらないのが普通である。コンマ
 スの加藤悠太くんが登場。若々しく、緊張顔である。緊張した若々しさは美しい。

  さて演奏の方は出だし、指揮者が振りかぶったヘ音の強奏からひきつけられ
 た。弦による序奏もなかなか。弦は演奏会を通じてよかった。(--会場のせい
 だけではないと思うが・・・・・・。)ティンパニも活躍!終盤、勝利のシンフォニー
 もわくわくさせられ、とてもよかった。第1ステージでなかったらきっともっと
 拍手が多かっただろう。


2.チャイコフスキー 「白鳥の湖」抜粋
  指揮の大河内さんは丁寧な指揮、ロマンチックな曲想をいくらかザッハリッヒ
 に、しかし後半にかけて熱く仕上げていた。
  第1曲情景 オーボエ--白鳥の主題は節回しよろしく、安定感があった。
  第2曲ワルツ 第1幕の登場する、大好きなワルツ。バランスといい、流れとい
 い、トランペット・ソロといい、楽しめた。トロンボーンもなかなかうまい。
  第3曲四羽の白鳥たちの踊り 出だしのアンサンブル、全体のリズムもよかった。
  第4曲情景--王子とオデットの愛の踊り 木管からハープへ。そして上品に
 してきっちりしたバイオリン・ソロ。続くチェロのソロも素人とは思えない。
  第5曲ハンガリーの踊り 遅から速への切り替えもよかったのではないかしらん。
  第6曲情景・終曲 ティンパニが大活躍、最後に満を持して、大きな盛り上が
 りをみせた。会場からはブラーボッも飛び出した。精一杯の拍手をして、腕が動
 かなくなった。 


3.バルトーク 管弦楽のための協奏曲
  意欲的なプログラム!この曲を生で聴くのは初めて。米国の地における作曲は
 1943年、初演(カーネギーホール)は1944年というから第2次世界大戦中であ
 る。部分によって現代音楽にもマーラーの響きにも民族的にも聴こえた。大河内
 さんの得意な曲なのだろう。
  最初はどんな曲かと思いながら聴いていたが、進むに従いだんだんおもしろく
 なってきた。--いかにもショルティが得意そうな曲である。「管弦楽のため
 の」とあるくらいだから、各管楽器は気が抜けないほど独奏的な出番があるが、
 みんな頑張っていた。実際、終わって立たされるフルート、オーボエ、クラリネ
 ット・・・・・・等々聴衆から心からの拍手だった。

  管楽器パートにとって、曲が決まった時は「えーっ、これやるの?」という反
 応だったかもしれないが、「ピンチがチャンス」となった演奏だったのではない
 かしらん。
  来年の3月には、このワグネルがブタペストの芸術宮殿バルトークホールで同
 じ曲を演奏するそうだが、スタンディング・オベーションが起きるかもしれない。
  
  <アンコール>
  「先ほどハプニングでハープの弦が切れてしまいました。彼女(赤木さん;総
 政1年)のハープがすばらしいので」(大河内さん)と第2ステージの木管が下手
 に現れ、第4曲の冒頭からバイオリン・ソロまでが演奏された。なるほどハープは
 エキストラかと思ったほどすばらしかった。会場の静けさを実感できるほどいい
 アンコールだった!

演奏がよかったので、帰りにアルカキット錦糸町の新星堂でF.ライナー/シカゴの
バルトーク「名盤」を買ってしまった。

それにしてもA席(1F6-30)1500円は安い。次回のマーラー5番も聴きに行こう。








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