人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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海老沢泰久『ふたりのプロフェッショナル』(ランダムハウス講談社文庫)

2009-04-20 05:21:58 | 読書
私の「同期」といったらいいのだろうか。三遊亭楽太郎、東尾修(プロ野球解説
者)、池上彰(元NHK)、綾小路きみまろ等々同年生まれの人が活躍しているのは嬉
しいことだ。スポーツ関係「著述業」(--対象はスポーツだけではないが。)の
海老沢泰久も同期の一人である。



本書は、過去に出版された海老沢のエッセイから野球関係だけを一冊の文庫にまと
めたものである。私は、今プロ野球をまったく見ないが、スポーツ少年だった昔は
熱烈な巨人(読売ジャイアンツ)ファンだった。(大鵬、卵焼きがとくに好きだっ
たわけではない。私が巨人ファンだったのは昭和33(1958)年の長嶋入団から20年
間である。)
本書の海老沢も巨人ファンだったようだ。同じ歳で、同じ巨人の画像を見ていたこ
とになる。

本書では、1.「長嶋茂雄という謎」、2.「激闘日本シリーズ」、3.「巨人を愛した
巨人キラーたち」を一気に読んだ。

1.は「長嶋茂雄とは何か?」に迫っている。
2.では、昭和58年巨人対西武の日本シリーズをドキュメントしている。
また3.では文字どおり巨人キラーを描いている。巨人キラーとは、当時の巨人ファ
ンならだれでも分かるであろう、江夏豊、平松政治、星野仙一である。

1.で海老沢は書いている--
  ぼくは子供のころからずっと、長嶋ファンのジャイアンツファンであった。夏
 の夜は毎晩のようにラジオにかじりついてナイター中継をきき、長嶋のあの火を
 吹くようなラインドライブに熱狂した。長嶋がスランプに陥り、かわりに王がホ
 ームランを打ったりすると、純粋だった子供のぼくは本気で王を憎んだこともあ
 った。

これをそっくり自分の文章にしたいくらいである。また、海老沢はいう。

  ぼくは長嶋は二流の監督だとずっと思っており、小説やエッセイの中でことあ
 るごとにそれを主張してきた。長嶋ははやくジャイアンツの監督をやめるべきだ
 といいつづけてきた。

これは昭和56(1981)年に書かれたものだが、まったく同感であった。


本書を読むとプロ野球が(私にとって)熱かった時代がよみがえる。



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