人生ブンダバー

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5/7 第36回かながわゴールデンコンサート(長文)

2017-05-12 07:00:00 | 音楽

前回のブログでは、関内から山下町までやってきた。
5月7日(日)、かながわゴールデンコンサート(於県民ホール小ホー
ル)を聴く。

会場にはお若い方(お弟子さんかしらん)と後期高齢者(長年のファ
ン?)が多い。私のお隣は、80歳過ぎのご夫婦だ。プログラムには、
栗本尊子さんのお名前はない。

今年も出演者は、二期会や東京室内歌劇場、横浜シティオペラなど
に所属する一流の歌手の方々だ。

<プログラム>
1.弓田真理子
 ・ねむの木の子守歌
 ・オペレッタ「こうもり」より 侯爵様、あなたのようなお方は
2.荒井恵美
 ・さくら横ちょう
 ・Mai
 ・マッティナータ(朝の歌)
3.平井淳子
 ・ゆく春
 ・むこうむこう
 ・踊り
 4.悦田比呂子
 ・悲しくなった時は
 ・はちすずめ
 ・暁は光から
5.村上曜子
 ・僕の頭上に広げておくれ
 ・ツェツィーリエ
 ・からたちの花
6.中村博之
 ・芭蕉布
 ・青蛙
 ・音戸舟唄

 ~休憩~

 7.宮本益光
 ・最後の歌
 ・貴種流離譚
 8.松原有奈
 ・ゴンドラの唄
 ・禁じられた音楽
 9.栗林朋子
 ・秘唱
 ・さわがしい舞踏会で
 ・至福
10.柳澤涼子
 ・未知の扉
 ・夢のあとに
 ・悲しき歌
11.佐藤征一郎
 ・どぢょっこふなっこ
 ・死と乙女
 ・魔王
12.三縄みどり
 ・秋の眸
 ・うたをうたうとき
 ・歌をください


以下、つたないコメントご容赦の程・・・・・・。

14時ちょうど、中村さんが左手に杖を持ち、片方の足を引きずりなが
ら、ゆっくりゆっくり登場。

--皆さん、こんにちは。昨年今頃は、熊本大地震で、大変お世話
になりました。改めて、心からお礼申し上げます。
あと、もう一つ、大変申し訳ございませんが、栗本先生(5/9で)97歳
が体調不良のためご欠席となりました。体調が回復したら、来年出る
わよ、とおっしゃっております。

--今回は、皆さんにひと言お話いただいて歌っていただく趣向です。
では、最初に1週間前、『カルメン』のミカエラを好演された弓田真理子
さん、2番目に鎌倉由比ガ浜で練習されている荒井由実さんをご紹介
します(というように進められていった)。[中村さんの進行。以下同様]

 1.弓田真理子
中村さんがゆっくり下手に下がると、入れ替わりに白地に小さな花のド
レスの弓田さんと伴奏の深井利枝さんが登場。
--皆さん、こんにちは~。今回から歌う前にひと言お話するという
ことを、今日伺いました(笑)。トップバッター率が大変高い弓田です。

 ・ねむの木の子守歌
 ・オペレッタ「こうもり」より 侯爵様、あなたのようなお方は
「ねむの木の子守歌」は美智子さまの作詩だとは知っていたが、高校
時代の作だとは知らなかった。インテンポで進まない歌唱、一定した、
見事な響き(--皆さん、この点は同じくすばらしい。)にひきつけられ
た。ここぞというf(フォルテ)の「必然」がまたすばらしい。
続く、アデーレは難曲を感じさせない、独語と日本語による歌唱。また
『こうもり』が聴きたくなった。
すばらしい歌唱を聴くと、(私の場合)繰り返し聴きたくなったり、歌い
たくなったりする。


 2.荒井恵美
--七里ガ浜で練習している荒井です(曲の内容を説明される。オレ
ンジがかったドレスで長髪)。
 ・さくら横ちょう
 ・Mai
 ・マッティナータ(朝の歌)
こちらも同様にポジションを維持した、響きがすばらしい。「さくら横ちょ
う」は雰囲気のある歌唱。日本語のプロの歌唱では、ダグ先生がよく
おっしゃっていたが、「a」や「o」の母音で必ずしも大きく顎を下げない
(口を開けない)ということが勉強になる。
2曲目、3曲目はフランス語を勉強されているのだろう、生き生きとした
表情の歌唱だ。


--次はゴールデンに初出場の平井さん。(『蝶々夫人』で)スズキを
歌っておられます(二期会等)。次の悦田さんは大きな、ラブラドール
レトリバーを2頭飼っておられます。別の1頭は、今日は魚釣りに行か
れたそうです(皆さん分かったかな?)。

 3.平井淳子
やや小柄でショートヘアーにパーマ。ピンクのドレス。
--皆さん、こんにちは(と曲目を紹介)。
 ・ゆく春
 ・むこうむこう
 ・踊り
低音、やや暗めの音色で、中田喜直の名曲--行く春と私の心情を
重ね、せつせつと、真剣に歌う。深井さんの伴奏もすばらしい。2曲目
は幸福感がいっぱい。手を広げるのに伴い、「幸福」が広がっていく
ようだ。3曲目はロッシーニの名曲。Allegroに乗って、右手を上げた
り、少し腰を振ったり、最後は長いブレスで。


 4.悦田比呂子
--大型犬を飼っているのですが、一時は25頭おりました。
 ・悲しくなった時は
 ・はちすずめ
 ・暁は光から
1曲目は、中田喜直の名曲。日本語のディクションがすばらしい。2曲
目は旋律が美しい。ショーソンの歌曲をもっと聴きたくなる。3曲目も
表情がすばらしい。絶唱に会場が圧倒される。


--次の村上さんは横浜シティオペラの屋台骨を背負っている方です。

 5.村上曜子
--プログラムにありませんが、最初にR.シュトラウスの「星(Der
Stern)」を歌います。
 ・僕の頭上に広げておくれ
 ・ツェツィーリエ
 ・からたちの花
R.シュトラウスの作品を3曲続けて、きれいなドイツ語(--子音と母
音)で歌ってくれた。伴奏の鳥井俊之さんも上手い。「からたちの花」
は、何度も何度も縦書きの詩を読んだような歌唱。ppもすばらしい。


 6.中村博之
音符模様のブレザーに着替えて登場。
 ・芭蕉布
 ・青蛙
 ・音戸舟唄
1曲目は、深いブレス。声で聴かせようとしない「心の歌」にジ~ンと
する。2曲目は、キッチリした、丁寧な歌いぶり。「音戸舟唄」も驚異
的なブレス。その3番は力強い伴奏に乗って、味わいのある歌唱だ
った。

~休憩~

--(中村さん)二期会で一番忙しい宮本さんです。松原さんは二期
会でスザンナを歌っています。

 7.宮本益光
--皆さん、こんにちは・・・・・・声が小さい(とニコリ)。後半、最初です
が「最後の歌」を歌います。2番目の歌はできたばかりの祝婚歌です。
 ・最後の歌
 ・貴種流離譚
宮本さんは、何と言えばいいのかしらん、声に芯があるバリトンだ。
「最後の歌」は主人公が降りてきたかのような、真剣な絶唱(--言
い方がおかしいかしらん。)。2曲目もオペラティックなベルカント唱法。
「いつも願う いつも祈る」という父親から娘への歌(日本歌曲)だった。


 8.松原有奈
オレンジっぽいドレスで登場。
--2年前に歌謡曲を歌いましたら、それから中村先生には「今度は
松田聖子ちゃん?」と言われております。焼肉のタレのCMソングを歌
っています。
 ・ゴンドラの唄
 ・禁じられた音楽
「ゴンドラの唄」は伴奏がおもしろかったが、オリジナルかしらん。
ガスタルドンの「禁じられた音楽」は初めて聴いたが、いい曲だ。主人
公はハイティーンの女性かしらん。イタリア語で想いを外へ放射する、
見事な歌唱だった。


--栗林さんは貴重なメゾです--ソプラノはたくさんおられるので
すが・・・・・・。柳澤さんは長身、大柄、テノールの相手役に困ります(笑)。

 9.栗林朋子
--一人ずつお話を、というのは今日伺いました(笑)。今日が誕生
日のチャイコフスキーを歌います。(朱、赤系のドレス)
 ・秘唱
 ・さわがしい舞踏会で
 ・至福
平井康三郎の「秘唱」は初めて聴いたかしらん。「いつの日か 君燃
えざらん」にグッと来た。2曲目は、安定した響きのロシア語、そして3
曲目は同様に響きが一定したドイツ語の歌唱だった。やはりこの演奏
会に出演される歌手クラスになると、日本語も(!)、そして外国語も
専門的だ。


10.柳澤涼子
長身の柳澤さんはゆったり登場(紫、紺色のドレス)。何かおっしゃる
と思ったら、ポツリ、「歌います」とひと言。
 ・未知の扉
 ・夢のあとに
 ・悲しき歌
1曲目は中田喜直の作曲--これも初めて聴いたかしらん。2、3曲
目は、フランス語で、フォーレとデュパルク。どちらも大きく歌いあげ
た。


--続いて佐藤さんは青春時代、ドイツのオペラハウスで活躍され
ました。三縄さんは最近3枚目のCDを出されました。毎週、東北や
熊本にボランティアでお歌いになっています。

11.佐藤征一郎
--ご紹介いただきました佐藤です。「どぢょっこふなっこ」は大好き
な歌です。どぢょっこふなっこが川の底から上を見上げている歌です
ネ。前奏だけではなく、鳥井さんに間奏と後奏を入れてもらいました
(お話がおもしろい)。あっ、それから、「すがこ」は氷のことです(1曲
ずつ歌をご紹介)。
 ・どぢょっこふなっこ
川底にいるどぢょっこふなっこになった気分だ。こういう歌こそ素人に
は難しいかな。

--今年はシューベルト生誕220年です。私は77歳ですが、比較に
なりません。栗本正先生は川崎高校の先輩でした。レッスンに伺うと
尊子先生が時々覗かれる。尊子先生にお会いしたら、100歳までは
歌ってくださいと申し上げようと思っておりました。2曲目は死神が前
奏で近づいてきて、後奏で去っていきます。歌唱がすばらしく、どんな
に拍手をなさりたいと思っても、後奏では絶対に拍手をなさらないでく
ださい。
 ・死と乙女
いきなりの絶唱にビックリ。とても77歳には見えない(聴こえない)。

--スクールコンサートに行きますとリクエストが多い曲です。このピ
アノ伴奏は難しく、一節にはシューベルトも弾けなかったとか。今日は
どうか鳥井さんの伴奏にご注目ください。(シューベルトとレーベの「魔
王」について、「Du」と「Komm」など歌詩の違いなどご説明いただく)。
 ・魔王
ハッキリしたドイツ語。よく長い歌詩を間違えないものだ。迫真の絶唱
に大拍手だった。


12.三縄みどり
 ・秋の眸
初めて聴く曲。ペールオレンジのドレスで、少し左右に揺れながら、ご
自分の「世界」を作り上げる。
 ・うたをうたうとき
明晰で、自然な日本語がすばらしい。こちらも初めて聴く。ここでお話。

 --皆さまこんにちは。今日は行楽日和のところようこそお越しくだ
さいました。今回は私がトリを務めさせていただくことになりましたが、
栗本先生はギリギリまで練習なさったそうでございます。最後の曲は、
中田先生作曲、私の「人生の歌」です。本当に心からのメッセージで
す(三縄さんも大歌手だが、話しぶりが大変謙虚で、お人柄が現れて
いる)。発売したばかりの、3枚目のCDにも収録していますが、歌うた
びに意味が違うというか、深まるような気がします。
 ・歌をください
「私に歌をください・・・・・・一度しかない人生・・・・・・」。まさしく三縄さん
の「心からの歌」だった。


--(中村さんより)今日は中田喜直夫人が来られています
と客席の紹介。次いで、伴奏者、深井利枝さん、鳥井俊之さんの紹
介に大きな拍手がわいた。


最後は、中村さんの指揮で、会場全員の、「夏の思い出」の大合唱。
毎年のことだが、これが練習をしたのではと思うほど上手かった。

16:40終演。


歌曲のお好きな方には大変勉強になる演奏会。--今年もはたして
大満足だった。


※来年、第37回は、5/12(土)、20(日)の開催。




プログラム





<PR1>「湘南の歌姫たち第5回」、「ふたりの音楽会」


<PR2>「三縄みどりニュー・アルバム」、「東京室内歌劇場の歩み」



日本の道100選











こりゃ、なんじゃらほい?


謎が解けた。(大ホール入口)

















座席より


休憩中


お開き後



































あざみ野着


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